総走行距離が30万キロを越え、21年に渡って稼働し続けてきた燃料ポンプ。現在までトラブルは起きていないが、30万キロというちょうどいい節目に達したことから、交換してリフレッシュすることにした。ここで交換しておけば、現在までの使用状況から、月面到着(=384,400km)までノントラブルで走破できる見込みが立つ。

もう一つの交換理由として、燃料ポンプの寿命予測や経年による劣化の調査目的がある。ネット上では10万キロ程度と記述されていることが多いが、EK9は既に30万キロに達しており、一般的な説の3倍もの耐久性となっている。実走行で30万キロを使い込んだ燃料ポンプを分解し、内部調査を行う。

ガソリンの危険性と作業上の注意

燃料ポンプの交換にあたっては、ガソリンタンク内の燃料をできる限り減らしておくことが望ましい。満タンに近い状況でも交換は可能だが、燃料ポンプを装着する開口部分近くまで油面が達しているため、よりガソリンをまき散らしやすくなる。

ガソリンは、日本の法令上では『揮発油』と名付けられているだけに極めて揮発しやすく、-40℃でも気化する。例え真冬でも、ガソリン蒸気が車内に充満することになる。ガソリン蒸気は空気より重たいので、フロアパネルやトランクパネル等のくぼみに溜まりやすい。窓やドア、テールゲートは必ず全開にする。

静電気由来のスパークから引火、爆発、車両火災を防ぐため、静電気防止策(素足で作業して、その肌部分は金属と常に接しておく。空気が乾燥している日は作業しない等)を絶対に行う。タバコを吸いながらの作業は厳禁で、カメラのフラッシュ撮影、スマホを近づけるといった電気機器の扱いも避けておく。ガソリンは引火すると爆発的に炎上し、素人による消火は困難で、蛇口レベルの水(水圧)や一般的な消火器では太刀打ちできない場合が殆ど。

作業そのものは難しくはないが、その一方で車両火災、爆発による人的被害といった大きなリスクを伴う。万一の事態に少しでも不安を覚えるなら、DIYで作業しようとせずプロに作業依頼すること。

交換の下準備

交換作業を開始する前にまずは下準備、一件の確認作業からスタートする。燃料ポンプ装着部分へのアクセスは、まずリアシートを取り外すlinkことから始まる。この確認作業については、2014年12月の燃料センサーの交換作業時linkに行っている。

リアシート撤去完了

シートバックとシートクッションが外れると、フロアに銀色のカバーが装着されている部分が見えてくる。このカバー…メンテナンスリッドの下に、燃料ポンプの端子やチューブの接続部分がある。ハーネスの長さに余裕がないので、メンテナンスリッドは勢いよく開けないこと。

リテーナの確認

確認作業とは、このリテーナと呼ばれる連結部品の色をチェックすることだ。燃料チューブを外した際、燃料ポンプ側のパイプ部分に残るリテーナだが、ここでパイプに装着されたままの時点では再使用可能。しかし、リテーナをパイプから取り外した後は、燃料漏れを防ぐために再装着できなくなる。

リテーナの組み合わせ

EK9ではサプライヤーの都合からか二種類のリテーナと燃料チューブが設定されており、TOKAIパターンとSANOHパターンとして、組み合わせが決められている。相互に入れ替えて使用することはできない。

黄色のリテーナが燃料ポンプに装着されていた場合、白色のリテーナは使用不可能。その逆、白色のリテーナが使用されているなら、黄色のリテーナは使えない。新品の燃料ポンプを使う場合は、現車に装着されているリテーナと同じ色の新品を併せて購入すること。

二種類の新品リテーナ

左)
TOKAIパターン用リテーナ(黄)、17711-ST0-003 リテーナー(イエロー)(トウカイ)、356円

右)
SANOHパターン用リテーナ(白)、17711-ST0-004 リテーナー(ホワイト)(サンオウ)、248円

部品番号はこのとおり。両社で100円近い差が出る、不思議な部品。

リテーナの長さ比較

それぞれのリテーナを開封して比較してみると、両社で形状が明らかに違う。全長も1mm近い差があり、SANOH製(右側の白色)のほうが長い。

リテーナの側面比較

続いて、側面からの比較。固定用のツメのサイズに大きな違いがあり、やはりSANOH製のほうが大きく、より裾側でチューブと噛み合うようになっている。対し、TOKAI製(左側の黄色)は小さなツメで、よく見ると頭頂部から若干内側に向かって絞り込まれていることが分かる。

二種類のリテーナの違いから、長さやツメの位置がまるで異なり、組み合わせを間違えてしまうと完全な固定状態を保つことができず、燃料漏れの原因になってしまう。特にオークション等で中古の燃料ポンプを入手する場合、リテーナの装着状況を入念に確認する必要がある。もし現車と異なる組み合わせだった場合は、新品のリテーナを入手してから作業着手する。

燃料ポンプの再接続について

確認作業等で燃料ポンプと燃料チューブの接続を切り離した場合、燃料ポンプのパイプにリテーナが残る。

パイプに残ったリテーナ

この状態ならリテーナは再利用できるので、燃料チューブのコネクタにそのまま接続する。

接続方法

燃料チューブのコネクタをパイプに突っ込めば、リテーナのカチッとした手応えと共に接続完了となる。リテーナは固着していることが多く、無理に外して再利用するくらいなら、最初から新品を用意しておいたほうが安全にも繋がる。また、燃料ポンプとガソリンタンクの間に挟み込むパッキンは、分解時交換部品になっている。純正パッキンの部品番号は17574-SE0-000で、500円程度。

交換作業スタート

以上、注意点や事前確認を経てから、交換作業を開始する。リアシートを外し、メンテナンスリッドを開けても、すぐに燃料チューブは外さない。まずはメンテナンスリッドから見える範囲の粉塵をエアガン等で吹き飛ばし、ガソリンタンク内に落ちていかないようにする。

燃料系統には圧力が掛っており、チューブ内にもガソリンが大量に残っていて、いきなり外すとガソリンが吹き出してしまう。

電源コネクタを外す

一旦エンジンを始動し、燃料ポンプの防水キャップ内にある電源コネクタを外して、自然にエンジンが止まるのを待つ。だいたい5秒程度で止まる。これで燃料の圧力が抜けて、燃料チューブ内のガソリンも多少は消費され、吹き出すことは抑えられる。

ガソリンタンクの給油キャップを開けて圧力をさらに逃がし、バッテリーのマイナス端子を外しておき、安全確保も忘れずに行う。

燃料チューブを外す

燃料チューブを外す。黄色のリテーナーが燃料ポンプに残っている様子が分かる。燃料ポンプにはもう一本、クリップで燃料チューブが接続されており、こちらはリターン経路。燃圧レギュレーターの動作で、燃料噴射に使われなかったガソリンがここに戻ってくる。大きな燃圧が掛からないリターンチューブとはいえ、それなりの量のガソリンが垂れてくる。垂れてきたガソリンはウエスでどんどん吸い取る。

燃料ポンプを引き抜く

燃料ポンプを固定している6個のナットを外せば、ガソリンタンクから燃料ポンプを外すことができる。燃料ポンプは円形の固定部分に対して斜めの台座で組まれているので、真上ではなく台座に沿った斜め方向へ動かしながら引き抜く。

燃料ポンプの装着部分

燃料ポンプが外れて、ガソリンタンク内部を観察することができる。長く開口しておけば、それだけガソリン蒸気が車内に広がりやすくなり、粉塵等の細かいゴミを落としてしまう原因になるので、なるべく早く元に戻していく。

新しい燃料ポンプを装着

新しい燃料ポンプをガソリンタンク内に装着する。ガソリンタンク内部には、残量が少なくなっても燃料ポンプが吸い続けられるように、受け皿状の一種のリザーブタンクがある。そこに燃料ポンプのストレーナー部分が接触するイメージで、開口部から斜め方向にスライドさせるようにしてセットする。

燃料ポンプの固定完了

燃料ポンプをガソリンタンクに固定する。この写真では、燃料ポンプのパイプ先端に黒いキャップを装着したままだが、実は唯一の失敗部分。黒いキャップを外した途端に、タンク内の圧力によってガソリンが上昇してきて、ガソリンを少し垂らした。圧力を逃がせるよう、黒いキャップは外しておく。

サービスマニュアル上の記載

サービスマニュアル上では、新しいリテーナは燃料チューブのコネクタ側に予めセットしておき、それからパイプを接続するよう記載されている。

新しいリテーナを装着したところ

リターンチューブを接続して、続いて上流側の燃料チューブだ。新しいリテーナは蛍光イエローなので、燃料チューブの黒いコネクタからよく目立つ。コネクタに新品リテーナを装着したら、燃料ポンプのパイプに接続する。

最終確認中

燃料チューブ、リターンチューブ、そして電源コネクタの接続はこれでOK。この時点でメンテナンスリッドは閉じず、燃料漏れが起きていないか入念なチェックとなる。

交換作業後の後確認

バッテリーのマイナス端子を接続し、イグニッションキーをII(ON、スタータは絶対に回さない)にすると、燃料ポンプが2秒間動作して、燃料配管の圧力が上昇する。30万キロを使い込んだ燃料ポンプが「ぎぃぃぃ…ん」と重苦しくてどっこいしょーと動くような音から、新品になったことで「シュィィン!」と非常に軽やかな音に変化した。

イグニッションキーを0(OFF)からII(ON)にすることを3回ほど繰り返して、チューブの接続部分からガソリンが漏れていないか、しっかりチェックする(しつこいくらいがちょうどいい)。異常がなければ、電源コネクタの防水キャップを装着し、メンテナンスリッドを閉じてリアシートを取り付けて、交換作業は完了となる。

燃料ポンプ部パーツリスト
1.  17040-ST7-933 
 17040-ST7-A33 
 ポンプセット,フューエル   45,252円  1個
18.  17711-ST0-003  リテーナー(イエロー)(トウカイ)  356円  1個
36.  90301-SE0-J00  ナット,フランジ 6MM  810円@135円  6個

全て2015年8月に購入したときのもので、2020年3月時点での販売状況と価格は不明。粉塵に覆われていた固定用ナットについても、異物を巻き込んでねじ山をなめないように新品へ交換している。

余談:社外の大容量燃料ポンプについて

純正部品は高価なので、安価な中華製やチューニングパーツとして売られている社外の汎用品が、交換品の選択肢に入るかもしれない。

大は小を兼ねないのが燃料ポンプであり、RB26や4G63といった高出力エンジンに使うような255L/hオーバーの大容量燃料ポンプをB16Bに使ったところで、燃圧が高くなりすぎる恐れ、配管やポンプモーターに過負荷が掛かって破損してしまう可能性がある。

燃圧は、燃料ポンプからの圧力と、プレッシャーレギュレータ以降のリターン流量の二つで成り立っている。プレッシャーレギュレータで余分なガソリンが戻されるから、大容量燃料ポンプを使っても燃圧は維持される…なんてことにはならない。大容量燃料ポンプを使って高圧で大量のガソリンが送られてきたとして、プレッシャーレギュレータとリターン配管がノーマルでは、ガソリンを戻しきれずに燃圧が異常に高くなる=燃調が濃くなる原因になってしまう。

純正品の代替手段として社外の大容量燃料ポンプを使うなら、調圧式でリターン流量の多いプレッシャーレギュレータに交換し、リターン配管を見直すといった対策も必要かもしれない。それが本来のチューニング、調律であり、大きいものをサクッとポン付けして、はいOK!ではない。

製造から20年が経過し、燃料系統の老朽化が進んでいると思われる。そんな「高齢車」に対して、何も考えずに高圧大容量の燃料ポンプという「心臓」を与えれば、血管ならぬ配管にはどのような危険性が考えられるか。規定外の高血圧や高い燃圧は、悪い結果に至ることになる。

分解調査

役目を終えて取り外した燃料ポンプは、さっそく解体して内部調査となる。

EK9用燃料ポンプ

EK9用燃料ポンプの全体像。全長はだいたい30cm前後で、新品はASSY化された状態で供給されるので、他メーカーのようにlink、部品を個別に購入して組み立てる必要はない。

燃料ポンプのマイナス端子

燃料ポンプの電源はバッテリーとオルタネーターから供給され、マイナス(グランド)側は台座に装着されている。マイナス端子やポンプモーター本体を含めた電気部品や回路がガソリンにどぶ漬けされているが、油中には酸素がなく、燃焼に必要な物質が存在しないために、引火爆発までは至らないそうだ。

台座の様子

常にガソリンに浸っていた台座は錆や汚れはなく、きれいな状態を保っていた。黒いゴムホースはポンプモーターからエンジンに向かってガソリンが供給される上流側。専用のゴムホースを使用しているため、20年以上ガソリンタンクに浸りながら、硬化やひび割れ、膨張といった劣化はなし。プラスチックのコネクタやハーネスについても、経年による劣化は見つからなかった。

ゴムホースの下側、台座に直接溶接されているパイプは下流側、プレッシャーレギュレータからガソリンが戻ってくるリターン経路の放出口。

ポンプモーター本体

台座から取り外されたポンプモーター本体。見慣れたインタンク式のポンプモーターだ。

ポンプモーターはDENSO製

ポンプモーターのサプライヤーはDENSO。195130と型番らしき番号がモールドされており、あちこちのメーカーや車種ではよく見つかる数字となっていて、純正ポンプモーターはどれも似たようなスペックに設定されているのかもしれない。

ポンプストレーナーの開き

ポンプモーターの根元にあるストレーナーを開いてみる。中にはストレーナーが潰れないよう、プラスチック製の骨が組み込まれている。もともと柔らかいプラスチックで、長年油中に浸り続けていたストレスなのか、ガソリンタンクから引っ張り出した時点で「パキッ」と音がして割れてしまった。骨の破片がポンプモーターに吸われてしまえば、内側から破壊されてしまうことになり、必要時以外は脱着しないほうがよさそう。

ちなみに、ストレーナーには赤や黒の小さくて細かい粒(異物)が、しっかりとキャッチされていた。流量が落ちるほどの目詰まりは起きていなかったが、燃料ポンプが新品になってストレーナーの状態が良くなったためか、後述する運転フィーリングの劇的な変化に繋がっている。

吸引口

ポンプモーターの底部には、ガソリン吸引口がある。向かって左上部分にも小さな穴が開いていて、こちらはポンプモーター内のガソリン流量を一定に保ち、余分な量を排出するために設けられていると考えられる。

ポンプモーター内のインペラ

ポンプモーターのカシメを起こしてやり、底部キャップを取り払う。すると中からインペラが出てくる。エンジン動作中は常に時計回りに回転し続け、吸い込んだガソリンをポンプ内部を経由して、エンジンに送り込んでいる。

写真から分かるように、ガソリンによる湿り気が残っている。取り外した燃料ポンプがいつまでもガソリン臭かった原因は、ポンプモーター内部のガソリンが残り続けていたためだった。

導線が出てきたが

続いて頭頂部を分解。コネクタ用のキャップが外せないか試行錯誤していたら、バキッという音と共に外すことはできた。が、コイル状に巻かれた導線が伸び切ってしまい、キャップ内部でどうやって収められていたのか分からなくなってしまった。

ガソリンの吐出口

気を取り直して。ブラシホルダーに設けられた吐出口のサイズは、僅か4mm×9mm程度。ここから8,400rpmの回転を維持できるガソリンが常に送り出されている。吐出口の内側に、金色に光るコミュテーターが見える。

ポンプ本体は単純な直流モーター

なるべく余計なダメージを与えないよう、ローターやブラシをモーターカンから取り出して、このとおり。基本構造は、電動RCカーやミニ四駆で使われているモーターと同じ、直流のブラシ式モーターだ。

吸い込んだガソリンは、このローターがあるモーターカンの中を通っている。ポンプモーターの冷却、軸受けやブラシの潤滑といった保護は、全てガソリンに頼っている。つまり、ガス代をケチってガソリンの残量が少ない状態で走り続ける、ガソリンが少ない状態で大きな横Gを起こして瞬間的なガス欠状態に陥る、完全なガス欠よるエンストを繰り返すというような運転を続ければ、ポンプモーターの冷却や潤滑が追い付かなくなり、痛めてしまう原因になる。

コミュテーターの摩耗状況

コミュテーターの摩耗状況をチェックする。荒れや段付き摩耗、カーボンの付着といった不具合はなく、キレイな接触状態を保っていた。ただ、30万キロ分の運転でブラシとの接触部分が1.43mm減っており、底部まで残り1mm程度しか無かったことから、ベストタイミングでの交換だったと判断できる。

ブラシの摩耗状況

コミュテーターに接するブラシも、荒れや段付き摩耗はなく、均一に減っていた。

ホルダーに装着されたブラシの長さチェック

参考事例として、分解前のブラシの残り長さ。ローターの軸はスラスト方向(軸と平行)に動くので、組み込まれている状態での正確な残り長さは不明。ブラシ単体では、左右共に9mmの長さがあった。

分解調査結果

以上の分解調査から、ポンプモーターに直流モーターを使っている以上は、寿命はブラシとコミュテーターの摩耗状況に左右され、無限に使い続けられるわけではない。

このEK9では30万キロを使いながら、まだ摩耗し切るまでには若干の余裕があったが、偶然の結果だ。先述したとおり、少ないガソリン量を保つ、ガス欠でエンストを繰り返すような使い方を繰り返していた場合、もっと早い段階で故障していたと考えられる。

燃料ポンプの寿命は、車のオーナー次第で大きく変わる。10万キロオーバーのEK9が当たり前に走っている背景からも「燃料ポンプの寿命は10万キロ説」は一種の俗説、単なる目安でしかない。本当に10万キロでダメになっているなら、世間のタクシーや商用車、パトロールに用いられるガソリン車は、燃料ポンプの交換費用だけで相当な額に達してしまうことになる。このことからも、総走行距離より総動作時間が関わってくるものと思われる。

ポンプモーターは非分解構造で、完全な消耗品。故障の前兆なく突然死することもあるので、抜本的な故障対策は交換しかない。燃料ポンプの寿命を延ばすには、ガソリンが少なくなる前に早めの給油を心掛け、常にガソリンに浸し続けて冷却と潤滑を保っておく。

燃料ポンプの比較

調査の続編として、ストックしてあった中古品の燃料ポンプ(取り外し時は6~7万キロとのこと)をバラしてみて、ここで分解したものとの消耗具合を比較した記事linkをアップしている。

イグニッションキーをII(ON)にした時点で、燃料ポンプの動作音が変化していた。これは何かあるな?とさっそく試走してみると、ガクガクと震えながら走り出す動きが完全になくなっており、スルスルと加速していく。三人乗車でトランクにはジャッキや工具類の荷物が積載されており、普段よりも重たい状態での走行だったが、その重量を感じさせない、スムーズな走行に驚かされた。

では一人乗車で荷物を積載しない、本来の状態ではどうか。これまた加速が極めてスムーズで、ただの信号発進が面白い。続いてハイカム領域の8,400rpmまで回してみると、明らかに加速力が増している。体感として知っている挙動ではなかったので、少々の恐怖感さえ抱いたほど。EK9のCMでヒゲのおじさんが「うわっはっはっはっはー!!」と大笑いしていたが、現時点ではそれどころではない。すぐに慣れるだろうが。

ここまで変化した要因は、燃料ポンプのストレーナーが新品になってガソリンがスムーズに通過しやすくなっただけでなく、ポンプモーターの素材品質や加工精度が向上して基本性能がアップし、プレッシャーレギュレータのリターン流量に見合う燃圧を実現できるようになったとも考えられる。電動RCカーやミニ四駆で遊んでいる人なら分かると思うが、長年使い込んだモーターよりも新品のモーターのほうが速く走るのと同じ。

コミュテーターの摩耗状況から、将来の遠出中や全国各地の酷道といった救援が難しい場所で燃料ポンプが故障し、動けなくなってドライブが中断される可能性もあった。燃料ポンプを新品に交換したことで、出先での燃料系統のトラブルを回避できるだけでなく、安心して月面(=384,400km)を目指すことができる。

走行距離:300,623km

Post