タイプRのボディ強化策として、リアセクションの板厚アップが重点的に施されている。これは大きな開口部を持って独特のしなり、撓みが発生しやすいバックスタイルボディに関係したもので、強化によってベースモデル(SiR系)に比べてねじり剛性が35%アップしたそうだ。→参考:CIVIC TYPE R 1997.8 Factbook外部リンク:CIVIC TYPE R 1997.8 Factbook

ボディ強化策は板厚アップだけでなく、リアフレーム後端部にリアパフォーマンスロッドが追加装着されている。

リアパフォーマンスロッド

黄色の矢印で示したのが、リアパフォーマンスロッド。ボディと同色で塗装されており、ニューボーグシルバーメタリックなので銀色のブラケットと鉄パイプで構成される。後期型のサンライトイエローなら、黄色になるのだろうか。

強化パーツなのに錆びやすい

このリアパフォーマンスロッドは錆びやすい部分のひとつで、BRZで快適生活(旧:EK9で快適生活)様外部リンク:BRZで快適生活や某SNSでも錆で脱落した事例がアップされている。

雪が降らない温暖な地域なら…と油断するところだが、現実的には酸素と水分があれば鉄は錆に見舞われ、特に溶接部が弱いようだ。2013年2月に行ったリアパネルの防錆塗装linkを行った時点で、溶接部やパイプ内部の錆を発見している。

錆び始めたリアパフォーマンスロッド

いざとなれば交換できる部分なのでケレンは行わずに防錆剤を塗布し、朽ちるまでの時間稼ぎに留めていた。リアバンパーを脱着するたびにリアパフォーマンスロッドの目視点検を行っており、次第に錆が広がり始めていることを認識していた。

リアパフォーマンスロッドの鉄パイプ内部

錆びた水道管ではない。取り外したリアパフォーマンスロッドの鉄パイプ部分を切断してみると、内部はこのような状態だった。先述したように、パイプ内部の錆を発見して防錆剤を流し込んで6年少々、ゆっくりだが確実に錆が進んでいたようだ。

乾燥した錆

錆は乾いており、マイナスドライバーで削ってみると硬い感触。鉄内部までの侵食は進んでおらず、縁部分はまだ銀色に輝いている。

防錆剤を流し込まなかった場合、パイプ内側から錆が広がって外側まで貫通してしまい、朽ちていたかもしれない。雪国ではない地域でも、錆による脱落の可能性があるということ。

交換

新品のリアパフォーマンスロッドについては2016年10月に購入、ストックしている。シビックRの維持方針の転換及び、ストック部品の在庫整理、そしてリアパフォーマンスロッドに広がる錆が気になって、いよいよストックを使うことになった。いきなり装着して終わりではなく、まずは防錆塗装を行う。

防錆塗装乾燥中

補修用部品だけに、出荷時点で黒で塗装されているが、塗膜は頼りない薄さだ。そこで防錆剤と市販のマットブラックのスプレーで塗装し直して、塗膜を厚くして錆びにくくしておく。パイプ内部にも防錆剤を流し込んで、内側からの錆も防いでおく。

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※ 2016年10月価格

リアパフォーマンスロッドの固定ボルト

リアパフォーマンスロッドはリアバンパーの内側、フロアパネルに四本のボルトで装着されている。トランク部のパネルから見えるボルトは二本。残りの二本は、本来は内装の内側に隠れており、サービスマニュアル(追補版)に至っては『ボルトが見えるまで、内装をずらす』という記述がある。このずらす作業が面倒で、リアパフォーマンスロッドの脱着用の穴linkを開けている。

新品のリアパフォーマンスロッドを装着その1

新品のリアパフォーマンスロッド本体に貼り付けられていた部品番号ステッカーは、剥がすことなくそのままにしておいた。見た目の悪さだけでなく、ステッカーが湿気にまみれて汚くなるデメリットがあるが、補修用部品を使って交換済みであることを示す証拠としている。固定ボルトの締め付けトルクは、54N・m(5.5kgf・m)となる。

新品のリアパフォーマンスロッドを装着その2

リアパネルに施しているアンダーコートと相まって、マットブラックカラーの新品のリアパフォーマンスロッドは目立たなくなったが、錆による黒ずみと薄い茶色が浮き始めていた状態に比べれば、はるかにマシだ。

錆のサンプルとして

リアパフォーマンスロッドの装着部を見比べてみると、向かって左側のブラケットが錆びていた。これは右側にマフラーが存在しており、タイコが路面から巻き上げる粉塵や水分のガードとなっていたため。そんな左側ブラケットの状態は、以下のとおり。

リアパフォーマンスロッドのブラケット部その1
リアパフォーマンスロッドのブラケット部その2

パイプ内部に剥がれが見える。これは流し込んだ防錆剤が、劣化で浮き始めているもの。パイプの縁部分には、うっすらと錆が浮かんでいた。

リアパフォーマンスロッドのブラケット部の裏側

ブラケットの裏側は、錆が純正塗膜やアンダーコートを突破しており、表面の状態が悪くなり始めたところだった。この先、錆がどのように塗装済みの鉄を侵していくのか、観察するためのサンプルとして保管し、第二回雨曝し試験として野外放置を計画している。

取り外したリアパフォーマンスロッドは左側ブラケットのサンプル回収と、パイプ内部の写真撮影と観察のために切断しており、作業終了後に廃棄した。

防錆剤を塗布しておくだけでも効果があることが分かり、早めに対処していて正解だった。錆を最初に発見した2013年2月の時点で、特に対策することなく放置していたら、事態は大きく変わっていたかもしれない。パイプをはじめとする筒状の部品は、その構造から一旦錆びてしまうと手入れしにくい。錆びる前に繰り返し防錆剤を塗布して、常に新鮮な油分を補充し続けるしかないようだ。

リアパフォーマンスロッドは交換しなくても、錆の侵食具合から月到着まで間に合うと思われる。このまま交換しなかった場合、クローゼット内で死蔵し続けることになり、使いどころがますます難しくなってしまう。そういった「使うことなく廃棄」は避けたく、今回のリフレッシュ作業で使うことで、在庫を無くすことにした。クローゼット内から大きな部品がまた一つ減り、空きスペースが目に見えてきた。

走行距離:285,124km

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