アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダルは、後期タイプRx用の純正品を流用装着している。

後期型アルミペダルその1

画像は2015年8月30日に装着した当日のもの。それから7年が経過、距離にして15万キロを走り、幾多の操作を行ってきたペダルはどうなったか。

ゴム部分の摩耗その1

2023年1月時点での様子。画像中央のブレーキペダル、凸状に成型されいるはずのゴムに注目。

ゴム部分の摩耗その2

ゴムが斜めに摩耗している。どうやらペダルの右端でブレーキ操作をするクセがあるようだ。

結論から記すと、CL7アコードユーロR用に供給されている46545-SEA-R01を使うことで、摩耗したゴム(及び擦り傷が入ったアルミカバー部分)を交換することができる。

ブレーキペダルカバーの完成直後

実際に46545-SEA-R01を使用し、交換を終えた直後。ここから500km近く走り回る事実上のフィーリングテストを行い、ガタつき等不具合は一切なし。正常な状態を取り戻すことができた。

速報としてツイッタにアップしたところ、かなりの反応があって驚かされた。EK9シビックR、DC2インテグラRを維持するオーナーは、この手を探していたのだろう。

捜索状況ログ

後期タイプRxとは、1999年12月16日から販売となった外部リンク:Hondaニュースリリースお買い得グレードで、主に使い勝手を向上させる装備を中心に追加されつつ、希望小売価格は据え置かれていたもの。その追加装備の中に、アルミパッドスポーツペダル(アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル)という特別仕様部品が設定された。

手元のパーツリストでも、タイプRx用の各ペダルに変更されているが、カバー部分だけは通常のゴム仕様となっている。素直にパーツリストに従うと、供給される部品は通常品になってしまう。

パーツ図

17番が問題のペダルカバーで、通常のゴム仕様となる部品番号が表示されている。現在も供給が続いており、500円程度と極めて安価で、財布には優しい。しかし、特別仕様部品なら見た目を含めて維持したく、代替品を探すことにした。実際に3種類(=3車種)のペダルカバーを取り寄せて検証する。

3種類のペダルカバー

上:実際に使用することになったCL7アコードユーロR用のアルミペダル。

左下:FN2シビックR用のペダル、装着不可能。

右下:FD2シビックR用のペダル、装着可能ながら使用せず。

FN2シビックR用は真っ先に脱落

FN2シビックR用のペダルについては、既に当blogで記事にしているが、こちらでも概略版として掲載する。

46545-SMG-P02

FN2シビックR用のペダル全体像。製造国はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国、通称イギリス。横幅が絞られるようにして小さくなっており、見た目でも装着不可能と判断することができた。

ベースゴム部分が厚い

裾部分のデザインの都合を含めても、ベースゴムは厚く成形されている。これではペダルの蹴面の高さが大きく変わってしまう。

幅が小さい

小さい横幅のせいで、ペダル本体側に開けられている固定用の穴とズレてしまう。ゴム部品に至っては、ペダル側の土台部分よりも小さく、明らかにサイズが違うとすぐに判別することができる。これでは代替品として使用できない。

FD2シビックR用は及第点だが

続いて、FD2シビックR用をチェック。

46545-SNW-J21

幅やリベット穴の位置はOK。一方で、手に持ったときの妙な重さと、金属カバー部分が別の袋に詰められている点が気になった。同封されているブラインドリベットからの傷防止だとすれば、なるほどと思えるが。

金属カバーは袋詰め

ブラインドリベットは高強度対応品のように思える。FD2シビックRの激しいドライビングに対応して、ブラインドリベットまで考えられているとすれば…Hondaならやりそうな気がする。さて、金属カバーを袋から出してみると。

ヘアライン加工のペダル

腕時計でよく見られるヘアライン加工。この重さと触り心地から、アルミではなくステンレスと気付くまで時間は掛からなかった。ちなみに先のFN2シビックR用も、やはりステンレス製となる。

及第点となった理由として、鉄ベースのペダル本体に対し、ステンレスを使ったブラインドリベットとペダルカバーが固定されることによる、異種金属接触腐食を警戒してのこと。鉄とステンレスは最悪の組み合わせで、雨水で濡れた靴底から水分が供給されれば、腐食する条件が揃ってしまう。

もちろんアルミ製のペダルカバーも異種金属となるが、鉄側ではなくアルミ側が腐食することになり、少なくともペダル本体は守られる。アルミに対してはアルマイト処理という耐腐食加工を施されているので、ステンレスよりはマシだろう。

CL7アコードユーロR用に決定

さらに探し回り、CL7アコードユーロR用のペダルカバーを取り寄せてチェックする。

46545-SEA-R01

アルミ特有の質感と軽さから、素材はOK。サイズそのものはFD2シビックR用と全く同じ。これで大丈夫だろうと直感。

先に掲載したようにツイッタで速報をアップしたところ、Amazonで売られていた46545-SEA-R01は、翌朝には販売情報が消えていた。ディーラーと同じ価格だったことから、あの一瞬で売り切れになったのだろうか。

交換するには

ペダルカバーを交換するならば、固定用のブラインドリベットを除去するためのドリル(3.2mmがベスト)、新しいブラインドリベットをかしめるハンドリベッターという工具が必要になる。

使用した工具類

今回使用したマルチインパクトドライバーとドリル刃の電動ドリルセット、ハンドリベッター。写真下部のスケールはサイズ比較用。これら必要な工具は100円ショップのダイソーでも売っていることがあるそうで、工具代が掛かるということは過去の話だろう。精度や耐久性は不明だが。

養生を行う

作業開始。いきなりブラインドリベットにドリル刃を当てるのではなく、使い古したタオルやシーツの切れ端、ビニールシート等を使って、しっかりと養生する。ドリルで削った金属の切り粉が大量に発生し、フロアカーペットに落ちてしまうと簡単には除去できない。いくら掃除機で吸っても、小さい粉が残り続けてしまう。

発生した切り粉

一例として、ブレーキペダルカバーの交換作業として、これだけの切り粉が発生する。クラッチペダルも同時に作業を行えば、この倍の量となる。作業終了後も、切り粉を落とさないよう、慎重に養生を外すことを忘れずに。

リベットのフランジを削り取る

電動ドリルでブラインドリベットを削る。中心の穴にドリル刃を真っ直ぐ当てて、一気に削ろうとはせずに、程々の力を掛けながらゆっくりとした回転で削っていく。するとブラインドリベットのフランジ部分がドリル側に残り、写真のような状態になる。これを3ヶ所分のブラインドリベットに対して行う。

残ったボディの除去

ブラインドリベットのフランジ部分が削れ落ちてしまえば、ペダルカバー部分を引っ張ることで取り外すことができる。ペダル本体側に残ったリベットのボディ部分は、ペンチ類でつまんで抜き取る。

取れたボディの破片

かしめが緩み、簡単に取れる。ドリルを当てた角度によって、自然と取れるかもしれない。

新しいペダルカバーの仮組み

新しいペダルカバーを仮組みして、ガタツキがないか、穴の位置があっているか入念に確認する。

新しいリベットをセット

固定用の新しいブラインドリベットをセットする。3ヶ所あるうち、下側の穴から作業すると、穴の位置のズレが確認しやすくなる。

いよいよハンドリベッターを使う

続いて、ハンドリベッターをセットする。

リベット作業は握力勝負

ハンドリベッターは、ブラインドリベットのフランジ部分に完全に押し付ける。左手でペダルとカバーが動かないように固定しつつ、右手でハンドリベッターのハンドルを握っていく。握力次第だが、2回ほどハンドルを握ると「ブチンッ!」と大きな音が鳴り、リベット内部のシャフトが千切れ、ペダル側にリベットボディが残る。

完全固定、OK

3ヶ所分のブラインドリベットを打ち込み終えると、このような仕上がりになる。

EK9にCL7のパーツが装着できた

ブレーキペダル、クラッチペダルそれぞれに、46545-SEA-R01を装着し終えた。摩耗したペダルカバーのリフレッシュ作業は、これで完了。

外されたペダルカバー

役目を終えたペダルカバーは適正処分することになる。廃棄する前に、改めて摩耗状況を見直してみた。

処分前の最終チェック

左がクラッチペダルカバー、右がブレーキペダルカバー。共にゴムが摩耗している。

ブレーキペダルの摩耗状況

ブレーキペダルの摩耗状況。フロアにつけた踵を支点に、ブレーキペダルを斜めに踏んでいるクセがよく分かる。

クラッチペダルの摩耗状況

続いて、クラッチペダルの摩耗状況。こちらは左端を踏んでクラッチを切るクセがある。驚いたのが、ゴムだけでなくアルミ部分も摩耗していた点。操作回数はブレーキペダルよりはるかに多く、いくら柔らかいゴム底でも何度も繰り返し接触しているうちに、摩耗してしまうようだ。

懸念事項

実は今回の検証で、通常仕様のブレーキペダルCOMPとクラッチペダルCOMPに対し、46545-SEA-R01を装着するとタイプRx風のペダルCOMPに仕上げることが可能となることに気付いた。EK9シビックR、DC2インテグラR共に、通常仕様のペダルカバー(46545-SH3-000)は共通となっている。

現在、後期タイプRx用のペダルCOMPは欠品で新規購入できない。オークションやフリマでは、新品未使用品、中古品問わず、出品されればそれなりの価格が付くようになっている。この状況を利用して、通常仕様からタイプRx仕様に作り替えて偽ることが可能ということ。

パッケージの中には予備のブラインドリベットは含まれていない。慣れない作業故の失敗する可能性、工具を揃える手間を惜しむのであれば、素直にプロへ交換依頼を出すのも手段の一つ。

EK9シビックRメインでレポートを書いているが、DC2インテグラRにも適用できる内容となっている。一方で、車台番号、型式指定番号、類別区分番号をベースにした検索では部品情報が出ない。46545-SEA-R01と部品番号を告げてディーラーや部品商で注文するか、Web通販を利用して買うしかない。

同一メーカーながら、他車種の純正部品を流用した作業なので、全ては自己責任となる。どのような結果になろうとも当Webサイトは一切の責任は取らない。

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