ミッションとシフトロッドの接続部分はゴムブーツでカバーされており、シフトロッドやミッション内部への水分や粉塵が入り込むことを防いでいる。シフトチェンジの度に伸縮を繰り返し、場所柄シリコンスプレー等のゴム保護剤が届きにくいため、意外と切れやすいらしい。
ミッションのオーバーホール
を行った際に交換しているのだが、1年程度で切れていることを確認した。それから車体をジャッキアップして、交換する機会に恵まれるまで、さらにもう1年が経過。ようやく、異常個所を修理することになった。
交換はDIYで
作業の前提条件として、車体の底部に潜り込むため、フロアジャッキでフロント側を持ち上げ、ウマを掛ける必要がある。このジャッキアップは本当に危険を伴う工程で、ジャッキの支えが若干甘かっただけで、車体は簡単に滑り落ちる(作業当日、別の車で落ちた)。
手抜き作業でウマを掛けなかった結果、車体の下敷きになって死亡…なんて実際に発生している事象だ。手抜きや慣れといった油断こそ、重大な結末に至るきっかけであることを忘れずに。
切れてしまったシフトロッドブーツを再チェック。内部のシフトロッドが外気と水分に晒された結果、小さなサビが浮いていたことから、放置し続けると状態が悪化するかもしれない。ダメになったシフトロッドブーツは、作業の邪魔にならないよう予めニッパーで切って除去しておく。このとき、ミッション側のプラスチック製のオイルシールまで切らないように注意。
シフトロッドに巻きついているクリップを外し、ミッション側のシフトロッドとシフトレバー用のチェンジロッドを接続するスプリングピンを抜き取る。スプリングと名付けられているだけあって、そう簡単には取れない。13mm(M8)のボルトがピン抜き代わりになるので、ハンマーで打ち抜く。
スプリングピンが外れたら、車内のシフトレバーを4速に入れ、シフトロッドを押し込みつつチェンジロッドを抜こうとすると、スポッと抜ける。先述した、ミッション側にあるプラスチック製オイルシールが見える。新しいシフトロッドブーツをミッション側から装着する。シフトロッドブーツには向きがあり、水抜き穴を地面に向ける。
チェンジロッドをシフトロッドに差し、レバー上から13mm(M8)のボルトで穴の位置合わせをしておく。少しでも両者にズレがあると、スプリングピンを打ち込むことができないためだ。ボルトを入れたまま、スプリングピンを打ち込んでいけば、ボルトは自然に打ち出される。スプリングピンは必ず新品を使う。
スプリングピンを打ち込み終わったら、クリップを取り付ける。クリップにはスプリングピンの脱落防止用の突起があり、スプリングピンに合わせておく。
チェンジロッド側にブーツを被せれば完成となる。1速から5速、リバースまで順番に動かし、シフトロッドブーツのズレやめくれが起きないか再確認を行う。問題がなければ、ウマから車体を降ろして作業完了となる。
| 24316-PS1-000 | ブーツ,シフトロッド | 530円 | 1個 | ※1 |
| 90751-S04-000 | ピン,スプリング 8X22 | 156円 | 1個 | ※2 |
| 54113-611-505 | クリップ,シフトジョイント | 178円 | 1個 | |
| ※1:2012年1月の価格 ※2:2015年11月の価格 |
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〆
ハンマーで打撃を加えることから、車体の粉塵が顔面に降りかかってくるので、マスクや保護メガネがあったほうが作業に集中できる。ブーツの耐久性の都合上、そう遠くない日に再び破れることだろう。次回の作業時には保護具を揃えておきたい。
今回使った部品は、ストックしていた長期在庫品を使った。いつか使うだろうと思って買ったが、ミッションのオーバーホールで交換されたことで、使う機会がさらに先延ばしになって、ようやく出番を迎えた。4年間に渡って、冷暗所で保管し続けてきたゴム部品だけに、寿命の調査サンプルを兼ねている。素人の乱雑なストック環境は、部品寿命にどう影響を及ぼすのか。そんなゴム部品へのシリコンスプレーの塗布策は、寿命を延ばすことはできるだろうか。
走行距離:238,489km