これまで2回、オイルパンパッキンの交換
を行ってきたところだが、作業終了後の翌日には早くもオイルで湿っていて、駐車場は茶色に染まってしまう。常にオイルが滴っているような状況なので、雨が降った日には路面に虹色の痕跡が広がるようになっていた。「オイルが漏れる?よしよし、ちゃんと入ってるな」という某二輪車ではあるまいし、何らかの不具合を抱えていることは明白だった。
次第に漏れは酷くなり、清掃した駐車場が半日で汚れてしまうようになった。さすがに漏れすぎで、普段お世話になっているチューンショップとは別のところへ出かけ、セカンドオピニオンというカタチで調べてもらうと、「ブリーザーチャンバーのパッキンからオイルが漏れている」と原因が判明した。
車体をカーリフトで上げて、下回りからチェックしたときの様子がこれ。黄色の丸で囲ったのがブリーザーチャンバーで、オイルまみれになっていた。その左側、白い円筒形のものがオイルエレメント。
ブリーザーチャンバーは、ブローバイガス(気体)を一旦貯留させ、オイル(液体)を分離する、オイルキャッチタンクと同じものだ。気体はPCVバルブ(一種の逆止弁)を通じてインマニに流れ、燃焼された後に大気へ放出される。内部に溜まった液体は、クランクケース内に取り込まれる。エンジンブロックへ圧入するようにして繋がっており、ゴムのOリングを用いていることから、経年劣化により密封性が失われていた。
ブリーザーチャンバーとエンジンブロックの接続部分から漏れたオイルは、オイルパンの縁を伝って地面に落下していた。しかもエンジンはフロントノーズ側に傾斜しているので、前側を特に汚すことになる。そんなことは予想せずに、フロントバンパー側から下回りをチェックすれば、オイルパンパッキンからの漏れに見えてしまう。これがオイルパンパッキンを再交換することになった原因のようだ。
エアフロチューブを外すと、ブリーザーチャンバーの上部が見える。漏れたブローバイガスによって周囲の粉塵が付着しており、かなりの汚れ具合となっている。ホースとブリーザーチャンバーはゴムのグロメットを介して繋がっているので、ここも劣化して密封性が悪くなっている。特にこちらは気体が放出される部分なので、周囲への汚れが広がっていた。
正常なブローバイガスの処理系統を維持するためには、このPCVバルブと呼ばれる逆止弁も重要になる。
高温高圧の気体が通過する場所なので、気体内のスラッジが蓄積して詰まってしまうと、クランクケース内の圧力が下がらなくなる。逃げ場を失った圧力はオイルレベルゲージを打ち出し、内圧でオイルシールからオイル漏れを起こす可能性が出てくる。また、スラッジで逆止弁が固着して開きっぱなしになると、燃焼室にオイルが吸われて白煙を吹き、オイルの減少を引き起こす。
1998年の製造から未交換なので、この機会に同時交換しておく。
交換部品は少数
原因が特定できたことから、部品交換となる。場所が場所だけに、カーリフトで持ち上げたりジャッキアップしないと手出しできない。しかも漏れたオイルが、広範囲に渡って汚損していることから、清掃も行わないと作業後の漏れチェックがしにくくなる。そんな条件から、今回は地元ディーラーへ作業を依頼した。
| 2. | 11853-PR3-000 | グロメット,ブリーザーチャンバー | 312円@156円 | 2個 | |
| 7. | 17130-PM6-G01 | バルブASSY.,PCV | 1,630円 | 1個 | |
| 10. | 91324-PR3-003 | Oリング,6.9X1.5 29X2.5 | 178円 | 1個 | |
ブリーザーチャンバー(図中1番)や各種ホース類は、洗浄して再使用。漏れたオイルで周辺が汚れていたので、スチーム洗浄を行っている。ディーラーの開店(09:30)と同時に預け、作業終了の連絡が入ったのが夕方(16:15)だから、交換作業より、洗浄作業に時間を要していたのかもしれない。
スチーム洗浄により、久しぶりにスッキリしたオイルパンパッキンの縁。パッキンの縁から歪にハミ出ているのは、追加で施した耐油性の液状シール剤。当初はココからの漏れを疑っていたので、漏れを塞き止めようと塗ってみたが、原因は全く別のところにあったおかげで、無駄足となってしまった。
作業から3ヶ月が経過し、状態をチェック。オイル漏れはなく、パッキンがしっかりと機能している。作業前の写真と比較すると、あまりに酷い汚損状態だったことがよく分かる。各部品が組まれた状態では見難いが、目視できる範囲での経過観察は、今後も続けておきたい。
〆
後になって調べてみれば、ブリーザーチャンバーのOリングからのオイル漏れは、B型エンジンの弱点の一つだった。現在に至るまで他の弱点部分からのオイル漏れは経験しているのに、ブリーザーチャンバーは完全にノーチェックだったことは、原因調査の視野がまだまだ狭く、恥じる事態と言える。
ブリーザーチャンバー内で気体と液体を分離する構造や、あえて社外品のオイルキャッチタンクを装着する意味について、知らないことはたくさんある。現在のところ、駐車場が再びオイルまみれになる様子は見られないが、相当の年式となることから、定期的なチェックは継続することになった。
ディーラーでの修理に関し、状況によってはエキマニを外すことになり、錆付いたボルトの切断除去も視野に入ると言われていたが、何事も無く終わって助かった。このことから、下回りから作業をする手段が確立できれば、DIYでの作業も不可能ではないかもしれない。
走行距離:225,383km