2012年12月7日にブレーキ周りを一新linkし、ローターはDIXCEL SD type、パッドはSEEKER×ZZD SUPREME BRAKE PAD TYPE-Sを装着した。パッドは街乗りからワインディング、サーキットまでオールラウンドに対応すると言うだけあって、サーキットのブレーキングでは首が持っていかれるほどの制動力となり、確かに間違いなかった。その一方で、ベースがスーパーテクノZZDなので、ローターへの攻撃性は高い。あっという間にローターにレコード盤状のスジが入り、ホイールを清掃しても一週間でダストまみれとなってしまい、望んだ方向性とは若干違っていた。

半年後の2013年6月16日、パッドをDIXCEL EStype/EXTRA Speedに交換。街乗りでは、ブレーキペダルの踏み込み量に比例する制動力が得られ、使い心地は決して悪くはない。危険回避の急制動を強いられるようなシーンでも、不安感を覚えることは無し。ただし、サーキットにおいては役不足で「高い耐フェード性」を謳うものの、30分のスポーツ走行を終えるころには制動力は目に見えて落ちる。完全に冷えて、荒れた制動面が整うまでは本当に慎重にならないと危なかった。

スリットローターを使っていることから、ダストは多い。ホイールを清掃しても、数日で黒くなる。公式Webサイトでは「ダストが少ない」と記述されていたと思うが、いつの間にか消えていた。その他、サーキット走行会向けに分類しているのに「摩耗保証外」になっているのも変な扱いだ。

消耗したブレーキ構成部品たち

限界が近いフロントのブレーキローター

フロントのブレーキローター。パッドだけでなくローターもどんどん減り、最終的には内周側のスリットが消えることになった。応じてパッドも減っており、このままでは今年の法定12ヶ月点検で引っかかることは明白だった。

レコード盤状摩耗を起こしたリアブレーキローター

ブレーキング中の車体姿勢を司る、リアブレーキローターの様子。スリットはしっかり残っており、使用限界はもう少し先…と思いきや、レコード盤状摩耗が発生している。このまま新しいパッドを使うと早期摩耗の原因となり、正しい制動力に繋がらないことから、安全のためにも廃棄することにした。

フロントブレーキパッド

フロントのブレーキパッド。パッドウェアインジケーターがローターに触れるまで残り1mmといったところで、交換タイミングがちょうど良かったようだ。ヒビ割れや変質は無く、わずかに内周側で強く摩耗した痕跡がある。スリットローターによるシェービング効果と、摩耗適正化効果がしっかりと発揮されていた。ただし、左右のブレーキローターを比較すると摩耗状況が異なることから、キャリパーの動きが悪くなりつつあるようだ。

リアブレーキパッド

リアブレーキパッドは、ヒビ割れや変質は無かったが、内周側に明らかなスジが入っていた。姿勢を安定させるためなのか、リアブレーキの効きが強めに設定されているという未確認情報があるが、このことだろうか。片押し式キャリパーの構造上、内周側に最も強い圧力が掛かるので、その証拠と言える。

変色したリアブレーキローター

サーキット走行後、鮮やかな青のスジが入ったリアローター。ブレーキパッドのスジと合致する。余談として、高速走行中の新幹線が、空気ブレーキを主体にした急制動を行うとブレーキディスクがこんな色に焼け上がる。

新ブレーキのチョイス

スリットローターを使いつつ、より低ダストな使用環境を見つけるためにオールディクセル体制は止める。走行の9割は街乗りで、初期制動を重視。真冬の超低温下においても、変わらぬ減速力を維持する。こんな要求に合うのが、ENDLESS SSS(Super Street S-sports)だった。リアブレーキローターについては、特に不満が無かったことから再度DIXCEL SD typeを選んだ。

前後の新パッドと新リアブレーキローター

パッドはストリートユースメインだけあって、『低ダスト』をアピールしている。何に対して低ダストなのか不明なので、参考程度にしかならず、スリットローターでの使用はどうなるだろうか。

SEEKER HI CARBON BRAKE ROTOR

フロントブレーキローターは、炭素(カーボン)の含有量を増やし、パッドの食いつきを向上させたというショップオリジナル品を選んだ。これも初期制動対策の一つで、低ダストで鳴きが抑えられているパッド=初期制動が甘い?というマイナスなイメージをカバーしてみようという意図だ。

うろ覚えだが、カーボンを増やして食いつき性能を上げると、代償として摩耗しやすい傾向を示す特性だった気がする。鉄に対してカーボンは不純物そのものなので、食いつきと耐摩耗を両立させることは難しいものとなる。普通の鋳鉄を使うと、あまりに硬くて摩耗し辛くなり、逆にブレーキが利かなくなってしまう。そこで炭素を混ぜて摩耗を促進させることで、良質な制動力を実現している。この成分配合バランスは、メーカーそれぞれのノウハウがあるそうで、結果として性能から用途まで全て異なる、個性豊かな製品が多数販売されている。

装着

完成したフロントブレーキ

新しいパッドとローターが装着され、タイヤの取り付けを待っているところ。パッドシムは移植して再利用しており、水色のブレーキパッドはほとんど隠れて見えなくなっている。ローターの回転方向は、今回もまた逆方向パターンだ。

完成したリアブレーキ

リアについてもフロントと同様で、パッドシムは再利用、ローターは逆回転。前後のパッドはパッドウェアインジケーターが付属していないので、摩耗限界に達してもキーキー音は出ない。常日頃から、摩耗状況をチェックする習慣が必要になった。

 SEEKER  HI CARBON BRAKE ROTOR SD EK9/DC2_98  26,100円  1セット
 DIXCEL  SD type 3355060S  16,544円  1セット
 ENDLESS  ブレーキパッド SSS(フロント用) EP270SSS  14,529円  1セット
 ENDLESS  ブレーキパッド SSS(リア用) EP312SSS  12,729円  1セット
 93600-06014-0H  スクリュー,フラット6X14  240円@30円  8個

新しいパッドとローターの当たりがついておらず、一発目のブレーキングは本当に効かないのはお約束。ディクセルの公式Webサイト上では『一般道で300~1,000Kmほど必要』と記載があることから、当面は慣らし運転が続く。サーキットでの慣らし作業はオフシーズン中につき、秋口までは不可能。シーズン突入後、サーキットでの慣らしは行っておきたい。低ダストパッドに対し、カーボン含有量をアップしたスリットローターを組み合わせると、どんなダスト量だろうか。ダストの正体はローターの削りカスが大半だから、予想では今までとあまり変わらないと思われる。

片押し式(浮動式/フローティング)ブレーキキャリパー

▲図はS&Eブレーキ株式会社外部リンク:S&Eブレーキ株式会社より引用。

片押し式(浮動式/フローティング)キャリパーは、対向式キャリパーに比べてピストンの圧力がブレーキパッドに対して均一になりにくく、図内で示されているように外側ブレーキパッドで偏る傾向があり、応じて摩耗も内周側に比べ外周側が大きくなりやすい。そこでスリット入りのブレーキローターを用いる。ブレーキローターが回転するとき、内周側ではブレーキパッドとスリットが接するペースが早まる(=極短時間で次のスリットが進入する)ことから、ブレーキパッドとローター本体を積極的に削り、圧力と摩耗量の多い外周側にバランスさせる。スリットローターはパッドの減りが早く高コストになりがちだが、バランスが悪いという片押し式キャリパーの弱点を補う意味を含めるなら、割り切るしかない。

走行距離:225,262km

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