小雨や霧の中を走り、一回だけワイパーを動かすようなシチュエーションではスムーズに往復せず、停止位置から少し動き出したあたりで止まるようになった。こういうときはウォッシャー液を噴射し、ガラスとワイパーを十分に濡らして滑りやすくしてから、ワイパーを動かすようにしている。

ワイパーモーターは既に23年使用しており、ギアボックス内のグリスの劣化、スイッチの接触不良といった経年による不調が出てきてもおかしくはない。そこでワイパーモーターを交換し、様子を見ることにした。

部品番号、変更あり

ワイパーモーターは分解してオーバーホールすることは想定されておらず、問題解決の最短ルートは新品へ交換すること。2021年8月時点でも注文、購入は可能だった。手元のパーツリストに記載されている部品番号から一部変更があり、最新番号は以下の表のようになっている。

ワイパーモーター交換
2.  76505-S04-003 
 76505-S04-Q01
 モーターCOMP.,フロントワイパー  24,640円  1個

モノタロウ上では『-003』から『-Q01』への変更案内はなく、両パーツ共になぜか取扱終了となっている。ネットから純正部品を購入することができる手軽さの反面、取扱終了=廃番という誤認識、注文してから廃番が発覚して強制キャンセルされる可能性もあり、販売状況を確実に知るならディーラや部品商といった実店舗に向かうのが筋。

交換

作業の流れとしては2017年8月13日に行った、ワイパーリンクの交換linkと重複する。ワイパーアームとカウルトップを取り外し、アッパーパネル内からワイパーリンクCOMPを取り出し、最後にワイパーモーターを取り外す。

ワイパーリンクの交換と同時に、ワイパーモーターも交換すれば二度の脱着の手間にならずに済んだかもしれない。だが、交換せずに再使用した理由は単純で、当時の予算不足によるもの。稼働期間が延びた末に今回の不調に至った。

カウルトップパネルの取り外し

ワイパーアームを外した後、先に赤枠のBクリップ8個を外し、次に緑丸のAクリップ9個を外してから、カウルトップパネルを取り外す。Bクリップはボンネットラバーシール(ゴムパッキン)の固定を兼ねているものがあり、引きちぎらないように注意する。

ワイパーリンクCOMPの取り外し

カウルトップパネルを外すと、ワイパーリンクCOMPが見える。白色の丸部分のコネクタを外し、続いて黄色の丸部分のボルト4本を外せば、ワイパーリンクを車体から取り外すことができる。

新品モーターの停止位置チェック

まずは新品モーターを単体でコネクタに接続し、一回転させる。車体装着後、ワイパーアームが正しい範囲で往復できるように、モーターの停止位置を決めるための工程。

ワイパーリンクの停止位置が一致していること

ワイパーリンクCOMPを裏返し、旧モーターの停止位置をチェックする。回転方向を示す矢印マークを上にして、ワイパーリンクにモールドされた目盛りとワイパーリンクの目盛りが一致していることを確認してから、モーターを取り外す。

新品モーターを装着

新しいワイパーモーターを組み付けたところ。ワイパーモーターの軸は軽い力で簡単に動いてしまうので、ワイパーリンクを装着するときに(大きく)回ってしまったら、モーターの停止位置を出すところからやり直す。

アッパーパネル内のチェック

ワイパーリンクCOMPがないうちに、アッパーパネル内の粉塵を掃除し、錆がないかチェックしておく。カウルトップパネルを装着することでダクト状になり、エアコンの外気導入モードでは空気がここを流れる構造になっている。拭き掃除をするときは、なるべく新品の雑巾を使い、完全に乾かしておく。

ワイパーリンクCOMPを装着

ワイパーリンクCOMPを車体に装着。ここでも動作テストをしておき、ワイパーアームを装着する軸がスムーズに回っているか確認する。

作業完了直後

全て異常がなければ、カウルトップパネルとワイパーアームを元通りに装着する。

小雨を想定して、霧吹きでガラスをあっさりと濡らしておき、ワイパーを動作させてみる。駆動音もなく、ワイパーは滑らかに一往復して水滴を拭い、ここまで軽やかに動くものなのかと驚かされた。ワイパーモーターが新品になったことで正常な動作に戻り、交換作業そのものは完了となる。

分解調査

取り外した旧ワイパーモーターは廃棄のために分解するが、異常箇所が見つかるかチェックも行う。

ギアボックス部の分解

ワイパーモーターのギアボックス部分を開く。合わせ目には防水シール材が打ち込まれており、開いた途端に古いグリス特有のニオイが部屋に広がった。23年が経過しても防水機能は全く失われていないようだ。

ギアに塗られているグリスには硬化は起きておらず、潤滑状態は極めて良好。写真下側のワイパーパークスイッチ部分については、グリスの硬化と回転が重たくなっていることを確認。

接点の荒れを見る

ワイパーパークスイッチの接点部分には荒れはない。しかし、回転接点側に焦げて硬くなったグリスが大量に付着しており、回転が重たい。無理な動作(強風時や超高速走行でのワイパー動作)によるストレスか。

溝付きや荒れはなし

回転接点を取り外した。ガチガチに硬くなったグリスを拭き取り、接点をチェック。摩耗による溝やスパークによる荒れはない。

回転接点は不良判定

回転接点側には黒く硬いグリスが大量に乗っており、拭き取ってようやく接点が出てきた。銅色の接点はキレイな状態を保っていた。

各ギアは正常

続いて、ギア部分を見る。こちらのグリスは柔らかく、まだ使えそうな雰囲気。ギアの歯に欠けや曲がりはない。

ブラシは残り半分

モーターのブラシを見る。十分な残量があり、雨天での運転状況を踏まえても、ブラシを使い切ることはあまり考慮しなくてよさそう。

均等に減っている

低速側、高速側、マイナス側のブラシは、それぞれ均等に減っている。

コミュテーターも異常なし

ブラシと接するコミュテーター。少々の焼けはあるものの、段付きになるような荒れはなく、状態はいい。

以上の分解調査から、回転接点側でグリスの劣化が起きており、これがワイパーが途中で止まってしまうものと思われる。劣化したグリスを除去して、プラスチックと金属、接点にも使えるグリスを注入すれば復活する。

ただし、回転接点の軸にはプッシュナットが使われていて、それぞれにダメージを与えずに外す苦労、劣化しているとはいえ大量のグリスを除去する手間、防水シールを完全に施す必要性…これら修復作業より、一括交換するほうが早い。

年々、強い雨が降りやすくなっている感じがある。そういった悪天候でも走ることは多々あり、応じてワイパーを動かす機会も増えている。

大量の雨粒と強い走行風を受けながらもワイパーは動作し続けており、モーター側は高い耐久性を持っていることが分かった。しかし接点側ではグリスの劣化による硬化が見られたことから、ゆくゆくはモーターに過負荷が掛かってしまい、丈夫なはずのモーターを壊してしまう恐れがあった。典型的、経年による故障パターン。

1990年代末の旧い車ゆえ、部品供給は常に不安がある。部品と安全を確保する意味でも、異常を感じたら早めに交換することを意識したほうがいいようだ。

走行距離:332,312km

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