現在装着中のプラグコードは、永井電子製のシリコーンパワープラグコードとなっている。2007年12月に中古車として購入した時点で装着されていたもので、前オーナーが交換したものを使い続けて、今日まで12年が経過している。

赤ヘッドカバーと赤ケーブル

赤いヘッドカバーに赤いプラグコードの組み合わせ。走行に関しては何ら問題は起きておらず、交換前日のドライブにおいてもリッター17以上の燃費が出て、8,400rpmまでスムーズに回せるといった良質な燃焼を実現している。

前オーナー時代から脱着を繰り返してきたためか、シリコンの被覆に細かい傷が見られるようになっており、経年劣化に対するリフレッシュも兼ねて、交換することにした。

NGKパワーケーブルを買うが

これまでが永井電子の製品だったことから、次のブラぐコードは別の会社かなという単純な理由で選んだのが、NGK製のパワーケーブル。ちょうどスパークプラグがNGKのイリジウムMAXを装着しており、ペアで使うには悪くないだろう。

NGKパワーケーブル ホンダ01H STOCK No.9283

ハイエンドを謳う割に安価で、9,000円でお釣りがくるほどだ。品番としてホンダ01H、STOCK No.9283と設定されており、代表的な適合車種がB型エンジンのタイプRとなっている。その他、同じくB型エンジンのシビック(EF、EG、EK4)、DA系インテグラにも適用しており、使用できる車種型式は幅広い。

純正プラグコードの抵抗値は16kΩ/mに対し、このNGKパワーケーブルは約1/18の低抵抗、0.9kΩ/mに設定されている。これでイグニッションコイルからの電気をより早く、スパークプラグに送り込むことができる。それによって『一般コード比で130%の火花エネルギーを実現』『スーパーレスポンスを実現』『エンジン性能を効率よく引き出す』とされている。

なるほどそういうモノかいな?と、まずは装着前に断芯等の初期不良がないか、導通確認をしてみると…。

1番ケーブル(65cm):0.748kΩ

2番ケーブル(53cm):0.623kΩ

3番ケーブル(45cm):0.562kΩ

4番ケーブル(30cm):0.411kΩ

このような数値となった。長さはプラグキャップからデスビ側端子までのおおよその距離で、抵抗値は端子類を含めた全体からの計測となる。テストリードとの接触抵抗が含まれることを踏まえても、測定値にはけっこうなバラつきがある。さらに計算してみると、全てのケーブルにおいて1mあたり0.9kΩという公称値にはならない。

0.9Ω/mの導線

画像はNGK 4輪車用パワーケーブル外部リンク:NGKスパークプラグのWebページより引用。

NGKパワーケーブルは金属抵抗線を使っている構造上、長さによって抵抗値が変わってしまうことになる。ケーブル単体で計測すれば0.9kΩ/mという抵抗値になるのかもしれないが、エンジンの部品として使う以上はASSYとして扱わなければならず、公称値よりも高い数値は大きなマイナスポイントだ。

ブルーポイント パワープラグコードを買い直す

そこで永井電子から販売されているプラグコードで、高性能バージョンとして販売されているブルーポイント パワープラグコードを改めて買う。NGKパワーケーブルよりも1.6倍ほどの価格設定となっている。

ブルーポイント パワープラグコード 2428-40

品番は2428-40。NGKパワーケーブル同様、B型エンジンを搭載するスポーツモデルに適合する。1mあたりの抵抗値ではなく『各気筒で0.5kΩに均一』となっており、その他『抵抗線式コードでは各気筒の爆発力が不揃いになる』と書かれているあたり、異なるケーブル長でも抵抗値を揃えていることを謳っている。

販売店ではどこも取り寄せ商品となっており、即納ではない。メーカーでの受注生産なのか、注文してから到着まで二週間ほどの日数を要した。

こうして二社のハイエンドなプラグコードが揃うことになり、比較することができる。例えば、デスビ側の端子について。

デスビ側端子の違い

上が永井電子のブルーポイント パワープラグコード、下がNGKパワーケーブル。バネ接点やハトメといった個別部品で構成された永井電子の端子に対して、NGKパワーケーブルの端子は単純なプレス品。

NGKパワーケーブルは接点が外側に傾いた状態で固定されており、デスビの端子に接続するときは内側に曲げつつ、装着することになる。永井電子のブルーポイント パワープラグコードであれば、接点は被覆の中央に位置しているので、変なストレスを与えることなくデスビに装着することができる。

両社共に青いシリコンの被覆となっているが、NGKパワーケーブルは硬め、ブルーポイント パワープラグコードは柔らかいものとなっている。

抵抗値を測定中

続いて、抵抗値の測定。デジタルテスターだけでなく、使い方の復習を兼ねてアナログテスターも引っ張り出して、数値を読み取っていく。

1番ケーブル:0.491kΩ

2番ケーブル:0.499kΩ

3番ケーブル:0.497kΩ

4番ケーブル:0.497kΩ

プラグキャップからデスビ側端子まで含めたASSYで、見事すぎるほどに数値が揃っている。確かに0.5kΩの公称値に極めて近い結果になっている。アナログテスターにおいても、針は同じ位置で止まっていた。

ブルーポイント パワープラグコードの構造左図は、永井電子のWebページ外部リンク:永井電子から引用。
ブルーポイント パワープラグコードの芯線には、銅を使用している。銅の材料特性として抵抗率が低く、地球上における金属の中では二番目の低さを誇る。身近なところでは車のハーネスで大量に使われており、廃車による解体作業で真っ先に回収されるのも、金属やリサイクル品として極めて価値が高いため。パソコンやスマホ等CPU内部の配線にも銅は使われており、高性能化の一端を担ってきた。ブルーポイント パワープラグコードは銅配線でケーブル部分の抵抗値を無しにして、プラグキャップ内部で0.5kΩの抵抗を接続することにより、ケーブル長の差によらずASSYでの抵抗値が揃うように設計されている。

赤ケーブルから青ケーブルへ交換

抵抗値をそれぞれ測定した結果とケーブル部品としての取り回しの良さから、ブルーポイント パワープラグコードを使うことにして、さっそく現車のシリコーンパワープラグコードと取り換える。

抵抗値を測定中

各ケーブルの長さはバラバラなので、デスビ側の端子と気筒を間違えることはないだろうが、プラグコードは一本ずつ交換していく。ケーブルの抵抗値が変わるので、点火時期の再セッティングlinkも忘れずに行っておく。

交換後の試走

始動性は今までと何も変わらず、滑らかなアイドリングも変わらず。ゼロ発進の出足がラクになっており、陸橋の急な坂道の再加速も力強くなっており、今までよりも走りやすくなっていた。

そのままアクセルをフルに踏み込んでみると、8,400rpmへ向かう吹けがより速くなった印象で、全域に渡って好調な走りに変わっている。ラジオの受信状態も良好で、耳で感じるほどのノイズの発生も起きていない。

シリコーンパワープラグコードの抵抗値は?

役目を終えた赤ケーブルこと、シリコーンパワープラグコード。永井電子のWebサイトの中には、具体的な抵抗値は記載されておらず、代わりに『1.6Lで2.17馬力、2.0Lで3.8PS馬力アップ』と馬力の変化具合がある。ブルーポイント パワープラグコードと同様、各気筒で抵抗値が揃えられているそうだ。抵抗値が記載されていないなら、測ってしまえばいいだけのこと。

シリコーンパワープラグコードの抵抗値は?

測定してみると各気筒2kΩで揃えられており、ケーブル長による違いは出ないように設計されていた。『車の寿命を上回る耐久性』をウリにしているだけあって、経年による抵抗値の乱れは発生していない。被覆が傷んでいなければ、交換する必要はなかったということ。

二社のプラグコードを比較することになった。コストパフォーマンスの良さでは、NGKパワーケーブルが間違いなく勝る。抵抗値のバラつきも普段の走行に影響を及ぼすようなものではなく、各気筒で燃焼状態に大きな差が出てスムーズな走行ができなければ、部品や製品として成り立たなくなってしまう。プラグメーカーとして、なるべく安価に抑えつつ、純正品よりも良質なスパークを実現するというコンセプトで設計されていると考えれば、決して悪いものではない。

プラグのスパークと燃焼状態を保つために、デスビキャップとローターを定期的に交換しているのだから配線にもこだわりたく、抵抗値が揃えられている永井電子のブルーポイント パワープラグコードをチョイスした。プラグコードは単純に交換するだけでなく、点火時期の再調整といった付帯作業を併せることで、より効果的に性能を発揮させることができる。

300,000㎞目前という総走行距離で、プラグコードの交換でエンジンに変化があったのだから、燃焼システムへのリフレッシュとしても意味があったようだ。低抵抗なプラグコードを活かし続けるには、後々のスパークプラグの交換においても、点火時期のチェックと再調整が必要になってくる。

走行距離:299,217km

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