B16Bエンジンの点火時期については完全にノータッチで、これから先も触れる予定はない。現状で特に不満な点はなくて調整する理由はなく、下手にいじってエンジンブローのきっかけになるのは避けたい。

とはいえ、この先デスビを自らの手で取り替えることになったとき、いきなり点火時期調整の本番に望めるわけがない。そこで練習がてら、タイミングライトの扱いと点火時期のチェックを行ってみることにした。

ナショナル タイミングライト TL-5B

使用するのはナショナル(現パナソニック)製のタイミングライト TL-5Bだ。ナショナル製だけにとても古く、もちろん中古。傷だらけになっていることから、かなり使い込んでいるようだ。電源は単一形のマンガン乾電池が指定されていたが、今時マンガン乾電池が売られているところは少なくなっていて、アルカリ乾電池を使った。

コードの先のクランプ部を1番プラグコードに挟み、プラグに向かう放電電流を検知(恐らくクランプ内にコイルがあって、電磁誘導による検知)し、タイミングライト内のストロボライトを発光させる仕組み。

点火時期

点火時期は指定されていて、ボンネットの裏に貼り付けられていることが多い。B16Bは800rpmのときにBTDC16°となっている。800rpmのときに、クランク角度がBTDC16°のときに点火…つまり、上死点(頂点)より16°戻った位置で点火を開始していることになる。

プラグ点火による炎は、燃え広がるスピードに限界があって、上死点(頂点)で点火をしているようでは混合気が燃えきる前に、ピストンが下がりきってしまう、もしくは排気行程に入って上昇を開始しているのに、まだ燃え続けていることになる。そこで、上死点に達する前に点火を開始し、混合気をスムーズに燃やしきるようにしている。

サービスマニュアル上の合わせマーク

点火時期のチェックは、クランクシャフトプーリーによる目視だ。サービスマニュアルを参照すると、図のように合わせマークやクランクシャフトプーリーに色付きの印が刻んであるようだが、どう見てもB型エンジンではく、サービスマニュアル上にはこれ以上の図がない。ここから先は、現車で調べる必要あり。

現物でチェックしてみる

現車の合わせマーク

そこで現車でもう一度探してみると、タイミングベルトケースにいかにもソレらしい凸モールド(赤矢印の先)を発見。これがB16B、というよりB型エンジンの点火時期調整用の合わせマークだった。

ここを目印として、クランクシャフトプーリーにタイミングライトを当てて、合わせマークとクランクシャフトプーリーの刻印が合うことを確認する。

サービスチェックカプラをショート

確認前提条件として、エンジンを始動後暖気が終了、ラジエターファンが2回動作、さらに無負荷で3,000rpmで2分以上の暖機運転を行う。次に一旦エンジンを止め、助手席側足元のECU付近にある、サービスチェック用カプラ(2P)をショートして、エンジンを再始動する。

針金や銅線でショートしてもいいが、写真のように専用ショートカプラ(SCSショートカプラ 07PAZ-0010100)を使えば、外れたり接触不良を起こさなくて済む。これで車体側の準備は完了。

タイミングライトを接続

プラグカバーを外し、1番プラグコードにタイミングライトのクランプ部を挟めば、タイミングライトがピカピカ光る。この光をクランクシャフトプーリーに当て、タイミングベルトケース上の合わせマークと一致するかをチェック。クランクシャフトプーリーの汚れや色落ちで、刻印が分からないかもしれないが。タイミングベルトケースとパワステ配管の間という、とても狭いところでの確認作業となった。

タイミングライトを接続

写真では若干ズレているが、目視ではタイミングベルトケースの合わせマークと、クランクシャフトプーリーの赤い刻印が一致した。同時に、赤い刻印が残っていることが、ハッキリと見える。1秒間に13回転するクランクシャフトプーリーは、同期して点滅するタイミングライトの光により、人間の目では認識しきれず止まって見える。その位置が、合わせマークと赤い刻印ということになる。目の錯覚を本当に上手く使っているようだ。

確認作業が終わったら、エンジンを止めてサービスチェック用カプラからショートカプラを外し、通常の状態に戻す。これでタイミングライトの扱いを覚え、点火時期のチェック方法はOK。

調整作業

点火時期を調整する場合、デスビを運転席側に動かすと点火時期が早まり、逆にフロントノーズ側に動かすと点火時期が遅くなる。

動かし方

デスビ本体をプラハンマーで、本当に軽く叩くくらいの動かし方で、点火時期は大きく変わる。絶対に大きく動かさないこと。

先述したように、混合気の燃焼スピードは限度があって、点火時期の狂いは異常燃焼(ノッキング)の原因になる。点火時期を早めてパワーを出すなんてこともできるらしいが、まずはタイミングライトを使った正常な点火時期の確認が第一。タイミングライトを使わず、目測でデスビを動かして点火時期を決めるなんて、エンジンの寿命を著しく縮めることになるので避けるべし。

走行距離:215,764km

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