ヘッドライトが黄ばんでしまう原因は、素材として使われているポリカーボネート樹脂が紫外線に弱い、という特性によるもの。紫外線からのダメージを抑えるために表面をコーティングしているが、経年で剥がれてしまうことで、紫外線の影響を受けやすくなって、次第に黄ばんでしまう。
黄ばみだけでなく、無数のひび割れが入っていることがある。表面のコーティング層のひび割れ、ポリカーボネート樹脂本体の劣化によるひび割れといった要因が挙げられているが、ひび割れでクリア部分が曇ってしまうことで、ヘッドライトが暗くなる。黄ばみとひび割れによる曇りで、本来の明るさが失われていた。
細かいひび割れに覆われ、ついでに黄ばみが発生している左側(助手席側)ヘッドライト。レンズ部分全体に細く小さな線が入っているが、全てがひび割れ。
右側(運転席側)のヘッドライトについても同様に、細かいひび割れが多数入り、黄ばみが発生。ランプからの輝きで、ひび割れは小さな点としてキラキラと浮かび上がっている。
年一回のボディコーティングの際、ヘッドライトの研磨も同時に施工してきたが、プロからも「年々、ひび割れが多くなってきている」と告げられ、キレイな状態を取り戻すには困難なコンディションになりつつあった。
そこでストックし続けていた、新品のヘッドライトと交換することになった。新品とはいえ開封済み、それなのに未装着という、いまいち謎が多いヘッドライトだったりする。
毎年のボディコーティングのタイミングに併せて、ヘッドライトを交換する。そしてボディコーティングと同時にヘッドライトへの黄ばみ防止コーティングを施工してもらい、耐久力の底上げを狙う。
使用部品
| 3. | 33126-SV4-003 | カバー,ラバー | 2,180円@1,090円 | 2個 |
| 10. | 33303-S04-003 | ソケットCOMP.(アンバー) | 990円@495円 | 2個 |
| 11. | 34303-SS1-003 | ソケットCOMP.(2P) | 1,056円@528円 | 2個 |
| 18. | 33101-S04-305 | ヘッドライトユニット,R.(スタンレー) | 1個 | |
| 19. | 33151-S04-305 | ヘッドライトユニット,L.(スタンレー) | 1個 | |
ヘッドライト本体は、前期型(E-)と後期型(GF-)で部品番号が異なり、さらにはグレードによっても違いがある。必ず車検証とパーツリストを照合すること。
3番、33126-SV4-003 ラバー,カバーについては、現車装着品が経年で柔らかくなってしまい、緩んだ状態になっていた。防水機能を維持するため、新品に交換。このゴムカバーについては、前期後期で共通となっている。
その他、ウインカーや車幅灯用のソケットも新品に交換している。これはゴムパッキンが痩せてしまい、ヘッドライトユニットに密着できなくなっており、防水性の低下やガタつきが発生していたことによるもの。
ヘッドライトの交換
まずはフロントバンパーを外すことから
、作業スタート。
サービスマニュアルではフロントバンパーを外し、固定ボルトを緩めれば車体からヘッドライトが取り外せるような記述となっているが、なぜか黄色矢印で示したスティフナーが邪魔になって、外すことはできなかった。
急がば回れということで、赤枠で囲ったバンパービームを外す。バンパービームの固定ボルトは、片側3本、両側合計で6本のボルトでバルクヘッドパネルに装着されている。ボルトは二種類あり、赤丸部分のボルトが高強度ボルト(8番マーク付き)で、青丸部分が普通ボルトとなっている。
万一の衝突事故の際、衝撃を正しくフロアやSRSエアバッグセンサーへ伝えるため、異なるボルトをセットしないように注意する。
バンパービームはパネルのフックに掛けられ、ボルトを抜いても落下しにくくなっているが、手を添えて落下防止を行う。
バンパービームが外れたら、ヘッドライト本体を車体から外す。ヘッドライトを固定するボルトは、片側4本。アッパーコアサポート部分に2本。
続いて、車体内側、ラジエター/コンデンサー部側に1本。
車体側面、フロントフェンダーと繋がる部分に1本。これら4本のボルトを緩めることで
このように、ヘッドライトを車体から外すことができる。ヘッドライトがアッパーコアサポートから少し浮いた状態で、ヘッドライトバルブ、スモールバルブ、ウィンカーバルブをそれぞれ外す。
ヘッドライトの新旧比較。写真上が21年に渡って使用してきたヘッドライト、下がこれから装着する新品のヘッドライト。写真を通じても黄色くなっていることが分かり、肉眼で見るとより黄ばみ具合がハッキリしていた。
ヘッドライトバルブの移植。純正ならハロゲンバルブ、社外品ならのH4タイプのHIDバルブやLEDバルブになる。ここではHIDバルブに交換してあるため、シェードを移植する。
防水用のゴムカバーはめくるようにして、軸方向に外す。上下に捻るようにして外すと、位置決め用の突起を曲げてしまう恐れがある。
サポータスプリングは赤矢印の方向に押し込みながら、青→の方向へ動かすことでロックを解除できる。
そのままサポータスプリングを持ち上げて
シェードを傷つけないよう、ヘッドライトからゆっくりと引き出していく。ここから作業は折り返し。交換するヘッドライトにシェードを装着し、ヘッドライト本体を車体へ取り付けていく。
交換後
交換を終え、さっそく点灯させてみる。新品だけに黄ばみやひび割れがなく、透明感が段違い。一日掛けて研磨しても、ここまでクリアにはならない。
右側のヘッドライトも交換終了。ヘッドライトがボロボロになると全体的に古臭い印象になるが、左右でクリアなヘッドライトになったことで大きく改善、明らかに引き締まった。極めて強烈なリフレッシュ効果を得ることになった。
交換作業終了後、直射日光に晒される時間を最小限にしつつ、ボディコーティングの施工となる。この中でヘッドライトの黄ばみ防止コーティングが同時施工となり、このクリア感がどこまで保たれるか、引き続き観察事項とする。
予備車検場へ
ヘッドライトユニットを交換したため、光軸調整を忘れずに行う。『予備車検場』『テスター屋』などの名称で呼ばれている施設に行って、その場で調整してもらう。気になる測定調査料金は2,160円。
現状では、1998年(平成10年)9月1日以降に製造された車のヘッドライトは、原則ロービームで検査することになっており、社外品のヘッドライトバルブに交換し、品質や設計が悪い場合は、車検に通らない可能性がある。1998年9月以降といえば、後期型に適用されることに注意。幸い、この車両は1998年5月製造なので、その旨を予備車検場担当員に知らせてハイビームでの調整となった。
〆
ストックしていたヘッドライトは、この先も使うことなく死蔵状態が続くと思っていた。そんなところに、プロから「ヒビだらけで研磨しても、完全な状態までは戻せない」と言われたことで、ストック使うことを決断、交換に至った。こうしてヘッドライトだけは新品になったことでリフレッシュできただけでなく、新車だった当時のイメージを抱くことができた。キレイに感じる車の条件として、クリアなヘッドライトに仕上がっているか否かという点は間違いない。
フロントバンパーやバンパービームの取り外しは、日常的な定例作業なので殆ど苦労はなし。それよりもクローゼット内の奥に片付けられていた、ヘッドライトを収めた段ボール箱を取り出すまでが、今回最も苦労した部分になった。
車体に装着された部品は大きさを感じないが、部屋に運び込むとなぜか巨大化する。ヘッドライトも巨大化する部品の一つで、幅、高さ、奥行きがあり、しかも不安定な形状。そんな部品を収めた段ボール箱は、よりサイズアップ。大きな段ボール箱をクローゼットにうまく収納するためには、他の収納ボックスに積み重ねて隙間を埋めていくしかなく、テトリスやぷよぷよといった落ちものゲーに近い処理だった。
走行距離:291,775km