梅雨シーズンの最中、間欠ワイパーモードが使えなくなった。ワイパーが一往復せず、途中で止まってしまう。これだけでなく、一往復だけ動作するMISTモードにおいても、やはり正常に動作しない。ところが、低速モード(I)や高速モード(II)は正常に動くことから、間欠ワイパーモードを使わず、低速モードをメインに使い続けることになった。

EK9用ワイパースイッチ

最初はワイパースイッチの接触不良と考えたが、間欠ワイパーモードやMISTモードに設定すると、ワイパーは停止位置から一旦は動き始めることから、間欠ワイパーモードで動けという指令回路は正常と考えられ、その先にある制御回路…インテグレーテッドコントロールユニットの不具合が疑われる。このパターンの不具合には思い当たる節があって、実は以前乗っていたDC2インテグラRにおいても、同じトラブルを抱えたまま走り続けていたため、そういえば…とすぐに察することができた。

このインテグレーテッドコントロールユニットは、間欠ワイパーのコントロールだけでなく、ライトの消し忘れ警報音やイグニッションキーの抜き取り防止警告音(エンジンが停止状態で、イグニッションキーを刺したままOFFの位置にあり、ドアを開けるとキー抜き忘れ音の警告音として「ピピピピッ…ピピピピッ…」という目覚まし時計のような、あの音)を発する回路が組み込まれている。

今回のトラブルに関し、DC2インテR時代に問題解決の参考として見ていたWebページ外部リンク:やっぱり金が無い。が、今なお残っていることが分かり、懐かしいと思うのと同時に、レポートの内容としては殆ど一緒であることに気づく。フォント弄りに、titleタグが『やっぱり金が無い。』と、ある意味ではインパクトのある表題は、古き良き時代のhtmlそのもの。

インテグレーテッドコントロールユニットを交換

インテグレーテッドコントロールユニットは、Integrated Control Unitの頭文字からICUと表記するパターンが見られ、もちろん集中治療室ではない。サービスマニュアル上では『統合ユニット』と表記されており、けっこうバラバラだったりする。

ヒューズボックスの裏側に装着されている都合上、バッテリーからの常時電源が来ているので、バッテリーのマイナス端子を外す。そして運転席側足元のカバーを外す必要があり、カバーの取り外しまでの流れは、こちらを参照のことlink

ヒューズボックスを外す

無事にカバーが外れて、ヒューズボックスが見えるようになったら、ヒューズボックスをダッシュボードフレームから取り外す。カプラー類まで取り外す必要はなく、固定ナットを外してハーネスでぶら下げる程度で十分。

インテグレーテッドコントロールユニットのカプラーを外す

頭と腕を突っ込んで、ヒューズボックスの背面での作業だ。インテグレーテッドコントロールユニットに繋がるハーネスを外す(写真赤枠)。インテグレーテッドコントロールユニットは、二箇所の爪でヒューズボックスに固定されている。

固定位置

爪の位置は、写真で青矢印の部分にあり、細いマイナスドライバーでこじるとボコッと浮くようにして外れる。向かって右側の爪部分は簡単に外れるが、左側はすぐ背面にハーネスのカプラーがあって、余計なダメージを与えないように慎重に外していく。

装着前の最終確認

新品のインテグレーテッドコントロールユニットのカバーを開けて、内部部品の最終チェック。NEC製のリレーの製造国が、フィリピン製に替わり、電解コンデンサに至ってはあちこち向いて、ずいぶん乱雑に組み立てられている印象だ。ケースのステッカーには、サプライヤーであるdenshigiken(電子技研)の文字が残っているが、同社は1997年にケーヒンと合併している。今なお、電子技研の部品が出てくる点や基板上の部品から、どうも長期在庫品らしい。

新しいインテグレーテッドコントロールユニットをヒューズボックスに装着したら、外していた部品を取り付けて復元していく。写真撮影しながらでも、20分程度の作業時間だった。間欠ワイパーモードとMISTモードの機能テストは、フロントガラスにウォッシャー液を噴射しながら行った。動作チェックOK、検査良好。

原因を探せ

間欠ワイパーモードとMISTモードが正常に機能しなくなった原因は、インテグレーテッドコントロールユニットの部品にあるのか、目に見える異常を少々期待したところだが、ハッキリしたものは見つけられなかった。ただ唯一、もしかしてこれか?と引っかかったのが、電解コンデンサの封口ゴムの僅かな膨れだった。

封口ゴムに僅かな膨張が?

写真中央の電解コンデンサの底部が、僅かばかり膨らんでいるが、外装ビニールのパッケージがズレている個体差にも見えて、どうも確信が持てなかった。その他、基板上でのハンダクラックは見当たらず、組み立て時のハンダ量が少ないような印象くらいか。

 38600-S04-911  コントロールユニット,インテグレーテッド  7,650円  1個

インテグレーテッドユニットは中古品を2個ストックしているところだが、高価な部品ではなかった点、販売状況を知りたかった点、そして新品で入手できた場合、ケースや基板での変化の有無を知りたく、あえて新品を購入した。

結果、まだ新品で買うことができた。装着前の開封チェックでは、1998年の製造時と全く変わらぬ部品構成で、長期在庫品だったことまで分かった。特に基板上の電解コンデンサは、新品にも関わらず日本ケミコンのSMEシリーズ(リードタイプ、廃番)が使われており、不具合を起こしたインテグレーテッドユニットも、当時は現行品だったSMEシリーズで構成されていたため。

その電解コンデンサは、85℃の標準品だ。105℃仕様ではなく、ついでに長寿命や高温耐性仕様でもない、ベーシックなタイプ。そんなスペックで、温度変化が激しい環境やロクでもない電源に20年も使えたのだから、寿命を全うしたようなものか。

今後発生すると思われる電装系部品の故障に備え、貴重なサンプル事例となった。電解コンデンサは電子部品の中でも寿命が短く、トラブルを起こしても不思議ではないタイミングに達している。ECU、エアバッグやABSコンピュータにも電解コンデンサは使われているため、引き続き経過観察を続けなければならないようだ。

走行距離:273,876km

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