秩父市道大滝幹線17号線…旧名称「中津川林道」は、埼玉県と長野県を直接結ぶ唯一の車道だ。しかも、未舗装の道が18km近く続き、都心から近い場所のロングダートということもあり、訪れる人は多い。
こんな道だからこそ、良からぬ考えが浮かんでしまうわけで、ふとシビックRで走破できるものなのか…?世の中にはシビックRでダートラをやっている人もいるし、何とかなる…か…?疑問を解決すべく、さっそく挑んでみた。
本来は、オフロード走行を視野に入れたこんな車で挑むのが正解。2005年5月に三菱デリカSGでこの道を走破しており、今回は二度目。
三国峠の看板にも書いてあることだが、本当に悪路注意、落石多数。もっと言えば、現在進行形で落石中。車を宝石のように扱っていたり、オフロード走行を視野に入れている車でなければ、近づかないほうがいい。
実際に走ってみた
長野県側から入り、埼玉県側に抜けるコース。三国峠をスタート地点とし、十分な駐車スペースのある彩の国ふれあいの森をゴールとすると、全長18km。標高は1,740mから780mまで降りる。
最初の三菱デリカSGの写真と比べても、警告の看板が増えているし、木々が生長している。三菱パジェロと同じシャーシを持っていたデリカSGに乗っていたならば、悪路注意と言われてもピンと来ない。だが、シビックRだと話は別。細心の注意をしないと、下回りをヒットして大ダメージを負う可能性がある。車高調は入っていないので、最低地上高は135mmと純正。これでも心細い。
握りこぶし大の石がゴロゴロ。しかも鋭利な部分が露出していることが多く、踏みつけてパンクすると立ち往生は必須。出来るだけ回避するために、右に左にとフラフラ走る。場合によっては、滑落ギリギリまで路肩に寄せることも。時速20km/hも出せず、10~15km/hがせいぜい。
小さな石になっても安心はできず、今度はタイヤがグリップを失ってスライドする。滑りやすい路面では、減速と旋廻は同時に行ってはならないことを再認識。ガードレールが設置されていない区間が大半。滑って谷底へ落ちないよう、僅かなグリップを活かしきる。
対向車がこんにちは。ゴールデンウィークということもあって、オフロード車はとても多い。写真のようにジムニー、他にデリカD:5、エクストレイル、パジェロ…悪路に強い車ばかり。
オフロードバイクがとても多く、頻繁に往来している。さらにホンダカブ、マウンテンバイク…。6年前に比べても、明らかに人が増えている。積極的に道を譲るべく、前方を注視するのと同じくらい、後方にも注意を払う。対向車に出くわしたら、一気にバックして譲る。「引いたもん勝ち」
土砂崩れか、ひしゃげたガードレールが生々しい。こんなところで事故でも起こしたら、救助は来れるのだろうか。
三国峠を出発して1時間が経過。舗装路に入る瞬間。なんという開放感!四輪がしっかり路面をつかんで、軽快に転がっているのが清々しい。
オフロード区間を走破後、車体の確認。何度か下回りをヒットしたが、大きなダメージは無さそう。砂まみれになったリアハッチ。車体は泥だらけで、枝や枯葉があちこちの隙間に詰まっていた。
結果
シビックRでも走破そのものは可能。オフロード車ではないので、時間はかかるが、長野県から埼玉県へ抜けることができる。転がっている大きな石を瞬時に見抜き、谷底への転落や絶壁への接触覚悟で右に左に蛇行を繰り返す。四輪がどのラインを通っているのか、車体と障害物の間隔、床下の構造と、かなりの車両感覚が必要。
ただし、どう走ろうとも石が下回りをヒットするのは間違いなく、運が悪ければオイルパンやミッション等の弱点にダメージが及ぶ。幸い、弱点へのダメージは見受けられなかったが、たまたま運が良かっただけかもしれない。途中、オフロードバイクが物凄い勢いで上っていき、その際に石つぶてを大量に浴びた。傷の大小問わず、車体が傷むのが嫌ならば、繰り返すが近づかないほうがいい。「傷は勲章」と割り切れる覚悟を持とう。
運悪く滑落して廃車になろうが、重傷を負ったところで、こんな道に踏み込んだドライバーが悪い。