会社内で定期的に行われる、レーシングカート走行会の朝。バイクで来た後輩はシビックの隣、助手席側に駐車。センタースタンドを立てたままバイクに跨り、雑談していた。

駐車場は土をベースにした砂利で、前日までの大雨で柔らかくなっていた。ここからの流れは至極単純で、跨ったバイクの上で身を動かしたものだから、ぬかるんだ地面でセンタースタンドが沈んでしまい、バイク本体がシビック側に倒れて、フェンダーを凹ましたのだった。前オーナーを含め、製造後18年目にして初(?)の外的要因による損傷となった。

損傷状況その1

左(助手席側)フロントフェンダーに、バイクのエンジンを囲むパイプフレーム(エンジンガード)がヒットし陥没。

ただ単に凹むだけでなく、黄色矢印のように鋼板が斜め後方に伸びてしまい、Aピラーとのチリが著しくズレている。同時に、鋼板がドア側に伸びたことでドアの縁に接触してしまい、開閉するたびにギコギコと大きな音を立てて鋼板を削り、素地が剥き出しになってしまった。赤丸で囲った部分で、ドアの縁の色が変わっている。

さすがにドアの鋼板の素地を剥き出しにするのはマズいので、その場でフロントフェンダーを取り外し、ガンガン叩いて応急板金修理を行い、ついでにウォーターポンププライヤで折り曲げることで、ドアと接触しなくなるように修正した。

損傷状況その2

叩いて修正を行ったことで、Aピラーとのズレはある程度戻っていることが分かる。

但し、ウォーターポンププライヤで折り曲げているので、銜え傷が三箇所追加された。ドアとフロントフェンダーのサイドプロテクターの位置が揃っておらず、上部で陥没した代わりに、下部では膨れているようだ。

損傷状況その3

膨らむようにして歪んだフロントフェンダーの下部。サイドスカート近くの末端部では、明らかに車体外側に向かって反っており、車体から取り外しているときは、反りはもっと大きかった。バイクが倒れ掛かったことで、凹みと膨らみが複雑に組み合わさる損傷になっている。

修理手段は?

修理手段はあらゆる方法があり、当然仕上がりも全く違ってくる。230,000kmを目前に控えており、その一方で月(=384,400km)を目指している以上は、これからも長期運用を行うので耐久性を最優先とした。

具体的には、損傷を受けたフロントフェンダーは修理することなく潔く捨ててしまい、新品に交換して再塗装を施し、元に戻す。もちろん、新品が手配できることを確認したからこその手段で、もし手配できなければ現物を板金しパテで修理する、もしくはリサイクル品を視野に入れるしかなかった。ただ、板金修理は将来的なリスク…パテ痩せや絞り加工後の錆びの可能性が否定できないことから、現物修理は新品部品が欠品でもう出ないという最悪の事態のときに行うものとしている。

そんな背景から、近所のホンダディーラーに持っていき、修理を依頼することになった。実作業はディーラーが行うのではなく、ディーラーの下請け整備工場が行う仕組みだ。

仕上がり確認

ディーラーに車を預けてから4日で修理が終わり、整備工場から無事に帰ってきた。仕上がり確認のためにさらに一日預けて、引渡しまで合計5日間の期間となった。ディーラーレベルで合格サインとなったところで、素人なりの仕上がりチェックを行うことになった。

仕上がり確認その1

新品のフロントフェンダーだけに、違和感はなし。艶がやけに強調されているのはカメラの特性ではなく、実際のもの。クリア層がだいぶ厚いらしく、見た目からして明らかに他の部分とは異なっている。ボンネットや運転席側のフロントフェンダーと比べても、触り心地まで全く異なる。

仕上がり確認その2

製造ラインでのクリア塗装は、ボンネットを閉じた状態で行われるので、フロントフェンダーを固定するボルト穴周辺はつや消しのボディカラーとなっている。ところが、交換作業においてはフロントフェンダー単体で、ボディカラーとクリア層の塗装を行ったことで、ボルト穴周辺まで艶が出るようになった。その一方でボルトはボロボロのままなので、フェンダー交換歴有の実例そのものの仕上がりとなった。

仕上がり確認その3

フロントフェンダーが伸びたことで、助手席側ドアの縁に接触してしまい、素地が剥き出しになった。再塗装による修理で、小さなクレーターと膨れが残ってしまった。気にするほどのものではなく、むしろ勲章のような扱いにしておく。ただ、ドアの縁だけを再塗装することは無理だったらしく、塗装範囲は下記の具合だった。

仕上がり確認その4

助手席側ドアの縁を再塗装するために、超広範囲に渡ってクリアが吹かれた。サイドプロテクターを境目にして、ドアパネル上部は全てクリアが吹かれ、下部でも半分まで塗られており、既存のクリア層と馴染むようにボカシを入れていた。

仕上がり確認その5

今回の修理で、なんとドアモールまで交換されていた。クリアを再塗装するとき、マスキングの都合で外したときに破壊したのかもしれない。確かに、ここを外さないとドアパネルのマスキングはうまくいかないが…。運転席側のドアモールはボロく、左右で派手な差ができてバランスが悪い。近いうちに、運転席側のドアモールも手配しておこう。

交換部品

2016年7月末現在、助手席側フロントフェンダーは新品で手配できた。既に一部のフレームが手配できなくなっており、この先もフロントフェンダーの手配ができるとは限らない。末永く車体を維持するためには、フレームやパネルに損傷を与えるようなことは、避けるしかない。

 60261-S04-000ZZ  パネル,L.フロントフェンダー  22,356円  1個
 72450-S03-003  モールディングASSY.,L.ドアー  5,216円  1個
   ショートパーツ  1,080円  

その他、シビックは通勤及び日常の買出し車で、基本的には毎日運転している。車が使えなくなると生活が成り立たなくなるので、代車を借りている。1日あたり3,240円で6日間の合計19,440円だった。

ひとこと

この手の修理は、完全自費修理にするか、警察に届け出て任意保険を使うか、迷いどころかもしれない。

昨今の業界全体での自動車保険の改定により、保険を使うと次回更新から『3等級ダウン+事故あり等級』でカウントされ、3年間は保険額が大きくアップするようになった。事故あり等級による次年度以降の概算保険料と、完全自費修理の費用を比べてどちらが安いか。

数年後には修理費より高い保険料を支払っていた…なんてオチも珍しくは無いので、よく考えたほうがいい。

今まで起こした事故は3回。1回目は首都高で競争中の自損事故、2回目はコンビニ駐車場内での接触、3回目は新東名駿河湾沼津SA内での接触だ。全て物損事故で、2回目、3回目は加害者という立場だ。これらの過去事例から、周囲の状況確認の徹底、そして店舗や建屋からなるべく離れたところに駐車することを続けている。

そんなところに、今回は初の被害者となった。やられる立場としてもけっこうショックで、損傷当日はうまくカートを走らせることができず、まともなタイムを刻むことができなかったほどだ。18年に渡って外装系パーツは一切の未交換を継続してきたが、とうとう左フロントフェンダーを交換した。正常な姿に戻って安堵し、同時にそこだけはある意味新車と考えると、少しばかり不思議な感覚を抱くことになった。

事故は加害者被害者問わず、貴重な時間と金を浪費し、悔いだけが残り続けることから、慎重な運転を続けていた。しかし、どこでどのように災難が降りかかってくるかは、ある意味運任せ。

万一のときには、二次災害の防止と負傷者がいれば最優先で保護、そして警察と救急への迅速な通報を行うべし。その場での示談交渉、金のことは絶対に口にしないこと。これらはよく言われることだが、なるべく穏便に済ませたいという気持ちが勝ってしまい、実際の場面ではなかなかそうもいかないのが本当のところか。中には私情にとらわれ、余計な荒波を立ててしまう人もいるだろう。

ただ、起きてしまった『過去』は絶対に取り戻せない。どう賠償するか『未来』のことを考える方が重要であり、大人として当たり前のこと。これらは常に頭の片隅に置いておく必要がある。

走行距離:228,844km

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