運転席側のドアミラーが格納できなくなってしまった。格納しようとすると、ガガガガッと異音を発するだけで、手で補助してあげないと格納されない状態だ。関節部分にグリススプレーを塗布しても症状は変わらず、思い切ってアクチュエーターを交換することにした。

ドアミラー部品図

ドアミラーはASSYとして一式(1及び7)で交換するか、アクチュエーター(4及び5)単体で交換するかの二通り。ドアミラーASSYは外装カバーの塗装が関わってくるためか、購入できたとしても40,000円を超える。アクチュエーター単体なら20,000円程度。もちろん後者を選択し、うまい具合に長期在庫品をゲットできたため、さらに費用を抑えることに成功した。

76210-S04-J35 アクチュエーターCOMP.,R.

泥だらけで汚くなっている現車のミラーと比較すれば、もちろん新品だけにキレイ。捺印によれば平成22年製造のものらしく、既に6年が経過していた。未使用なので、これだけの時間が経過しても問題はない。

交換作業の一部始終

抜けないカプラ

現車からミラーASSYを取り外した。アクチュエーターを取り外して交換するには、このカプラに繋がるハーネスを切断しなければならない。黒いベースサブASSY.は金属のシャーシで、ハーネスのために開けられている穴はカプラより小さいので、カプラが潜り抜けることは物理的に不可能。ハーネスを切断する以上、修理は新品への交換という前提になっているようだ。

新品アクチュエーター

新品アクチュエーターはカプラと端子が分割された状態になっており、ベースサブASSY.の穴を潜らせた後にカプラを組み立てるようになっている。その他、緩み止めが塗布された新品ネジ3本、カプラ用防水テープが付属している。

ハーネスを通す

ベースサブASSY.にアクチュエーターのハーネスを通すところ。組み立て前に一旦分解して、長年の使用で巻き込んでいた粉塵や油汚れは簡易的な掃除で除去している。

ピンアサイン

カプラのピンアサインは上記のとおり。一旦挿した端子をカプラから抜くには、地味に面倒なので間違えて接続しないように注意。古いカプラと見比べて、何度も確認する。

防水テープを巻く

カプラとハーネスを防水テープでしっかり覆う。

カプラ組み立て

ベースサブASSY.にカプラを取り付ける。新品アクチュエーターは『ミラーが格納された状態』で箱に収められている。展開した状態に切り替えないと外装部品を取り付けることができないので、この時点で一旦現車と接続し、動作試験を兼ねて展開状態にしておく。

ミラーASSY組み立て

外装部品を取り付けると、次第に見慣れた姿に戻ってきた。ミラーが装着されるピボット及びジョイントピンには自転車用のシマノ デュラエースグリスを塗布した。このグリスは金属だけでなくプラスチックやゴムにも使用が可能で、しかも水と接触しても流出しない特性がある。

防水ガスケット

ミラー本体を取り付け、ベースサブASSY.の車体側部分に防水ガスケットを装着。この防水ガスケットは部品単体での設定がないため、傷つけたりすると取り返しがつかない。慎重な扱いを要求される。

完成

完成。撮影しながらでも30分程度の作業時間だった。

分解調査

分解調査開始

取り外したアクチュエーターは、故障原因の特定と構造勉強ために分解する。同時に金属と非金属に分別することで、廃棄しやすくすることを兼ねている。アクチュエーターのカバーを外すと、内部のほとんどがギア類で占められていることが分かった。格納と展開は、ベルトドライブで行われていた。

ギア類

モーターからはミラーの関節までは、多数のギアを経由している。大量のモリブデングリスが付着しているギアは金属製で、歯に欠けや摩耗は見られなかった。18年近く稼動していながら、油切れは一切起こしていなかったことから、格納不能の原因はここではない。

マブチモーターその1

ミラーの格納と展開を行うモーターは、マブチモーターを使用していた。カーボンブラシによる単純な直流直巻モーターで、早い話がミニ四駆のモーターと似たようなもの。エンドベルの変色は少ないことから、寿命が尽きるのはまだ先のことだろう。

プーリー

モーターや金属ギアを伝わった動力は、左側のプーリーからベルトを通じて右側のプーリーに伝達される。ベルトはガラス繊維をベースにした高強度タイプで、折り曲げなければ切れることはなさそう。右側のプーリーがミラーASSY上では関節部分になり、ここを中心にして格納、もしくは展開される。

可倒用クラッチ

保安基準により、ミラーは歩行者等に接触したときに危害を加えないよう、衝撃を緩衝できる構造にすることが定められている。このことから、ミラーは簡単に折れ曲がる必要があって、その緩衝メカが関節部分に組み込まれている。金属ボールをスライドプレートで挟み込む、簡易的なクラッチだ。

ロックメカ

関節部分をさらに分解。金属ボールとスライドプレートがあって、ここが格納と展開時にガコッと固定する部分。格納不良の原因はここで、長年の使用で風雨に晒された結果、固定用の金属ボールが潤滑不良に陥り、スライドプレートを滑らせることができなくなっていた。動かないからといって安易にスプレーグリスを噴射すると、周囲に積もった細かな粉塵を金属ボールとスライドプレートの間に流し込んでしまい、より動きを悪くしてしまう。長年使い続けて関節の動きが悪くなったなら、グリススプレーを塗布するよりも、潔く交換したほうが安心かもしれない。

ミラーアクチュエーター

ミラー本体の上下左右の傾きをコントロールアクチュエーターを分解すると、またもやマブチモーターが姿を現した。FK-130RDという型番があった。防水シールされたケースの中に収められていて、一度角度を決めてしまえばそう動かすことはないので、経年の具合を感じさせないキレイな状態だった。エンドベルの変色は僅かで、まだまだ使えそうな気配。EKシビックにおいて、ミラーの制御が全て電動式の場合、片側につきマブチモーターが三つ使われていることが分かった。

 76210-S04-J35  アクチュエーターCOMP.,R.  10,756円  1個

ドアミラーの関節の動きが軽く、格納と展開がスムーズに行われるようになり、正常な動作に戻った。助手席側と比べると動作は明らかに速く静かなので、今度は助手席側の動きの悪さが気になるようになった。動かなくなったときのことを考えて、予め助手席側アクチュエーターだけを入手しておくのもありか。欠品の恐れがあり、あまり先延ばしにできないのが難点。今回のような長期在庫品が格安で入手できれば、財布に易しい。

走行距離:219,451km

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