メーター内の照明は電球(以下、バルブ)が使われており、経年でフィラメント切れ(いわゆる球切れ)の発生や、暗くなってしまう構造的弱点がある。
球切れとして、フィラメントが切れているバルブ。1個切れただけでもメーター内は暗くなってしまい、視認性は大幅に低下する。このときは運がいいのか悪いのか、次々に球切れが発生。
殆どのバルブで球切れが起きたときの様子。夜間やトンネルの走行においては安全性に関わる大問題であり、以後は定期的に交換するように配慮している。
必ず現車の構成チェックを
使用されているバルブを調べようにも、パーツカタログ上ではEKシビック共通の描き方となっており、グレードや仕様による差異は考慮されていない。
このように、必要個数はN表示となって正しく表示しない。よって現車の確認が必須となっている。ここではABS/SRSエアバッグ付のEK9シビックタイプRを例にする。
背面の様子。警告灯類を点灯させる黒小ソケットバルブが10個。各メーターを実際に裏側から照らす、灰中ソケットバルブが5個。そしてケーブル付き黒大ソケットが1個。ケーブルはメーター前面に回りこんでおり、先にメーターパネル表面を照らすバルブが備わる。

続いて、表面の様子。背面からケーブルが回り込んで、メーターパネル表面を照らすようになっている。向かって右側が黒小ソケットバルブ。

メーター内にはABS警告灯とSRSエアバッグ警告灯が組み込まれており、それぞれ黒小ソケットバルブが使われている。
以上の調査から、ABS/SRSエアバッグ付きのEK9シビックタイプRというグレードでは
・黒小ソケットバルブ…13個
・灰中ソケットバルブ…5個
・ケーブル付き黒大ソケット…1個
というカウントになる。
一部は揃わず
現車チェックを経て、パーツカタログから必要な部品をリストアップするが、2025年6月の時点で一部のパーツが欠品となっている。しかし個別に買うことで対応可能なので、大きな問題にはならない。
6番のケーブル付き黒大ソケットこと、37239-S04-003は欠品で入手不能。しかし、2番と28番のバルブ単体なら引けるため、ケーブル部分は再利用してバルブだけを交換する。
| 1. | 35505-SA5-003 | ソケットASSY.,バルブ [黒小ソケットバルブ] |
3,575円@275円 | 13個 |
| 2. | 35506-SA5-003 | バルブ(14V 1.4W) | 137円 | 1個 |
| 4. | 37103-SD2-003 | バルブ&ソケット(14V 3W)(NS) [灰中ソケットバルブ] |
1,540@308円 | 5個 |
| 28. | 37237-SA5-003 | バルブ(14V 3.4W)(NS) | 159円 | 1個 |
メータークラスターを外す
必要な部品が揃ったら、メータークラスターを車体から取り外す。前面のアクリルレンズカバーは極めて傷つきやすいので、慎重に作業を行うこと。
インナーバイザー上部のビス2本を外す。
インナーバイザーの下部では、左右それぞれでクリップで固定されている。ハンドルを最大限に下げて、コラムカバーとインナーバイザーの間に手を突っ込み、引っ張るようにして外す。
柔らかい樹脂で成型されたインナーバイザー本体は、撓ませるようにしてダッシュボードから外す。強く変形させて割らないように注意。
メータークラスター上部のビス2本を外す。
続いて、メータークラスター下部のビス2本を外す。この時点でダッシュボードとの固定は解かれるが、背面ではコネクタでハーネスが接続されているので、強く引っ張らないこと。
ハーネスが接続されたままでもメータークラスターを引き出せば、手を突っ込めるだけの隙間は確保できる。青いコネクター2つを外し、続いて背面にあるABS警告灯、SRSエアバッグ警告灯のコネクタも外す。
ABS警告灯とSRSエアバッグ警告灯それぞれのコネクタは、メータークラスタの背面、目視しにくい位置にあるので手探りで外すことになる。
各コネクタのツメの参考にどうぞ。計4箇所のコネクタを外せば、メータークラスターが車体から外すことができる。慣れれば5分程度の作業時間で、車体への装着はこの逆の手順となる。
室内にメータークラスターを持ち込んでの作業だ。精密機械ゆえ、粉塵まみれの車内で作業するのではなく、腕時計や基板の修理と同じ環境で作業を行うようにしている。
メーターの分解方法
メータークラスターを分解して、ABS警告灯とSRSエアバッグ警告灯の各基板を抜き取る準備だ。
メーター前面からレンズカバーを外すには上部から見て、4箇所のツメを外す。
そのままメーターをひっくり返して、下部のツメ3箇所を外すと、レンズカバーを外すことができる。
次にバイザーASSYの取り外しになる。予めケーブル付のバルブを外しておき、さらにケーブルも白いケースから外しておく。
バイザーASSYのツメは多くなり、上部は計4箇所。また左右側面(矢印部分)の2箇所にもツメがあり、それぞれ外す。
再びひっくり返して、下部のツメ3箇所を外す。これでバイザーASSYが外せて、挟まれているだけのカーボン柄のパネルも外すことができる。
18万キロ当時の作業写真を再利用しているが、レンズカバーやバイザーASSYといった構成部品を外したところ。ここからはメーターの駆動系を外すことになり、衝撃を与えることは避け、落下事故にも注意する。
赤色の丸で示したビスを全て外す。これで燃料計/水温計、スピードメーター、タコメーターそれぞれを外すことができる。
ABS警告灯はスピードメーターの向かって右側にある。基板とケースそれぞれを絶妙な力加減で撓ませつつ、引き抜く。
SRSエアバッグ警告灯はタコメーターの裏側にある。こちらも基板とケースの両方を撓ませて抜き取る。
ケースから抜き取ったABS警告灯とSRSエアバッグ警告灯。メーターバルブの交換作業で最も神経を使い、基板とケースが割れないように注意しながら、苦労を強いられる工程。
分解作業を終えたメータークラスター。
バルブの交換
ケースに差し込まれているバルブは、基本的にビスと同様で左回しに少し捻ってから引き抜く。
外した旧バルブとこれから組み込む新品バルブを混ぜないように注意。経年でバルブ内部が黒く劣化していることが多いため、見分けることは難しくはないが。
続いて、ケーブル付き黒大ソケット。こちらもソケット部分は左回しで外れるが、バルブ単体での交換となり、ケーブル部分は再使用するため取り回しに注意。
バルブ本体はソケットに差し込まれているだけなので、そっと引き抜くだけ。その実態は、T5ウェッジ球、T10ウェッジ球だったりする。
点灯チェック
バルブを交換しメータークラスターを元通り組み立てたら、さっそく点灯テスト。これまでは暗くなってから現車を使ったテストを行っていたが、今回はメータークラスターに直流12Vを供給して、暗い部屋の中でバルブを光らせるテストとした。
バルブ交換前、照度が低下した状態。
バルブ交換後、本来の照度に戻った状態。交換前と比べて明るくなっている様子が分かり、肉眼では写真以上に見えやすくなっている。
カメラはオリンパス OM-D E-M10 Mark IIIを使用。SS1秒、F3.5、ISO200、焦点距離14mmで統一している。撮影角度は微妙に変わってしまっているが、明るさが変化していることが把握できる。
全メーターを脱着しているため、その後は実走による針の動きをチェックし、こちらも異常がないことを確認する。ABS警告灯、SRSエアバッグ警告灯に限らず、全てのバルブが点灯することを確認できれば、バルブ交換作業は無事に終了となる。
付帯作業
3回目のバルブ交換の際、レンズカバーの脱着に伴い新品へ交換することになった。
2021年3月時点では、一個2,156円で販売されていた。部品番号は78156-S04-J01となる。
レンズカバーの下部にあるゴムクッションは全て移植する。
合計25年にも渡って使い続けてきたレンズカバーは、度重なる拭き掃除による細かい傷が無数に入っており、これもまたメーターが暗くなる原因の一つだった。さすがに新品レンズカバーは段違いにクリアで、メーターの見やすさがより向上することになった。
〆
視界に入りやすい場所だけに、交換によるリフレッシュ効果は高い。これまでは夜間運用が多く、交換から6年程度でバルブが劣化し、暗く感じてしまうことが続いていた。それでも10万キロは使っているので、使用した年数と距離を考えれば妥当なレベル。
電球を使って照らすことが前提になっている古い設計のため、社外品として販売されているLEDとは相性が良くない。拡散を謳ったLEDであっても、光が強すぎる部分とムラが生じて暗い部分の差が目立つようになってしまい、使用を断念したことがある。旧い車には、当時モノの部品を使う方がベストという典型例だ。
バルブ交換履歴
初回:2013.11.28/182,814km
2回目:2019.07.07/291,028km
3回目:2025.07.21/391,980km