39万キロに達し、定例のタイヤローテーション作業となる。フロントタイヤを外したついでに、足回りの簡易点検も併せて行う。
真っ先に視界に入るステアリングラックブーツは、破れている状態を見つける。
左側ステアリングラックブーツの破れ。人間と違って自然治癒はしないので、交換しなければならない。ひとまずタイヤローテーション作業を続けながら、右側の点検も行うと。
こちらも破れていた。駐車場の出入りでは、必ずステアリングハンドルをフルに切ることを強いられるため、左右均等にバランスよく負荷が掛かっていたのだろう。
久しぶりに異常を発見したことで、どこか喜々としていたことは間違いない。
使用状況を振り返る
破れたステアリングラックブーツは、2017年2月に行ったステアリングギアボックスのリフレッシュ以来
、使い続けていた。リビルト品に組み込まれていたもので、当時の総走行距離は23.9万キロだったことから、15万キロは耐えた計算になる。
全ては揃わず
現状でも走行そのものは可能。タイヤローテーション作業後には油脂類の交換でディーラーに行く用事があり、その場でステアリングラックブーツの交換作業依頼を出す。
いつものようにパーツリストを見ながら、担当メカニック氏と打ち合わせがスタート。交換作業で必要になる部品をリストアップしてもらうと、一つだけ欠品となっている部品が判明する。
図中2番、左右のステアリングラックブーツを繋ぐエアチューブ(53411-SH3-950)が欠品となっていた。現車のものを使い回すことも考えたが、劣化や作業性を考えて交換したほうがいいようだ。
「53411ってもう出ないみたいです。ストックしてます?」
「いや、ねぇっす」
「なるべく同時交換したいんですよ」
「そうっすねぇ…んなら代替のホース、探しておきますわ」
という流れで、53411-SH3-950の代替品を探し、持ち込み扱いで装着してもらうことになった。その他の構成部品に関しては、2025年6月現在では購入可能となっている。
| 3. | 53434-S04-J51 | クリップ,ステアリングタイロッド | 858円@429円 | 2個 | |
| 8. | 53449-S04-J62 | バンドB,ビローズ | 1,144円@572円 | 2個 | |
| 11. | 53534-SR3-N52 | ダストシールCOMP.,タイロッド | 2,167円 | 1個 | |
| 12. | 53534-ST0-013 | ダストシールCOMP.,タイロッド | 2,167円 | 1個 | |
53411-SH3-950の代替品について
使えそうなエアチューブを探す。構造上、耐熱性と耐油性が求められる部分なので、ホームセンターで売られている汎用品は使えない。
事前調査から、ラックブーツ本体のニップルに繋がるエアチューブの内径は4mmから4.5mmがベスト。そして耐熱性と耐油性を要する。うまい具合に見つかるもので、八興販売株式会社から売られているフッ素ゴムチューブ
が使えそう。
取り寄せたBTC-4x6。1mなので、現物合わせで切って使用する。
比較用にBTC-5x7も同時に手配したが、こちらは内径が5mmと大きく、クリップを介しても緩い装着具合になってしまうことが分かり、使用できないと判断した。
BTC-4x6の外径は6mmになるので、応じてクリップも変更する。数種類取り寄せて比較し、結果として95002-30000を使うことになった。
検証用の純正ステアリングラックブーツに対してBTC-4x6を接続、95002-30000で固定した状態。装着具合は上々。53411-SH3-950の代替としてBTC-4x6を使い、クリップは95002-30000を2個使うことに決める。
次点は燃料チューブ
比較検討する中で、耐油性メインで考えると燃料チューブも使えるのではないか?と思い、ホンダ純正のバルクチューブを取り寄せてみた。
95001-4500160Mは1mのバルク品。必要な長さに応じて切って使うようになっている。
左が95001-4500160M、右が現車から外したエアチューブ。内径、外径、肉厚全てで近いものがあった。
ラックブーツに95001-4500160Mを装着してみると、このとおり。残る問題は耐熱性と適切なサイズのクリップだが、これら問題をクリアすれば53411-SH3-950の代替品として使えるかもしれない。
終了!しかし…
作業は半日で終わり、当日中に車が戻ってくる。タイロッドを外す以上は、どうしてもホイールアライメントが変化してしまうが、こちらは後日微調整すればいいとして。
駐車場に格納する直前の、運用終了点検を行うと、またもや異常が見つかる。
ブーツ先端のクリップが外れていた。そう簡単に外れる部分ではなかったと思うが、なぜに?
続いて助手席側のステアリングラックブーツを点検すると、これまた異常が見つかる。
左右が逆!
実は先の2枚の写真、ステアリングラックブーツが左右逆に装着されていることを示している。正しい位置に装着されていないため、クリップが外れてしまった可能性がある。
今回の場合、リビルト品に装着されていたステアリングラックブーツが左右逆の状態で組み立てられ、しかもホンダ純正品ではないという仕様だった。純正ステアリングラックブーツを装着する際、単純に蛇腹の山の数をカウントしただけで、左右の向きを判断してしまったことに原因があった。
本来は左(助手席)側に装着される53534-ST0-013には、STO表記がある。
右(運転席)側に装着される53534-SR3-N52では、N5表記となっている。
パーツカタログ上でもこのとおり。右(運転席)側にSR3-N52、左(助手席)側でST0-013が指定されている。
改めて左(助手席)側のステアリングラックブーツを見直すと、正規はST0でなければならないところにN5表記となっていて、左右が逆に装着されていることが把握できる。
ST0-013はブーツ長が短いため、右(運転席)側に装着してしまうとフルステア時に伸び切ってしまい、早期に切れやすくなってしまう。
左右で逆に装着されている以上、整備を行ったディーラーに是正を要求。担当メカニック氏と共に、現車とパーツカタログ上の表記を見比べて、ステアリングラックブーツが左右で入れ替わっている状態で装着されていることを確認。
是正処置、作業完了
一部の部品が再使用できず、再度取り寄せなければならないため、ステアリングラックブーツの入れ換え修正は後日となる。右側にSR3-N52、左側にST0-013として、正しい装着位置で組み直された。
右(運転席)側に装着され、N5表記がバッチリの53534-SR3-N52。クリップの装着具合も問題なし。
続いて左(助手席)側。こちらは53534-ST0-013でST0の表記がしっかりと。
〆
ステアリングラックブーツの破れを発見、交換依頼。その後、左右で装着位置が逆という二次トラブルからの是正処置で、無事に解決。少々日数を要したが、正しい装着位置に修正され、正直なところ安堵していた。
同時にステアリングラックブーツの寿命についての貴重なデータを得られ、初回は13年14万キロ。リビルト品かつ社外品だった今回は8年15万キロという結果となる。
エアチューブの欠品についても、代替品は簡単に見つかるだろうと思っていたら、入庫日前日まで部品選定が続くというバタバタぶり。しかし、このテの作業こそ面白い部分で、代替手段やクリップのサイズまで掴むことができた。
駐車場に出入りする際、ステアリングハンドルを必ず左右いっぱいに切らなければならない。ステアリングラックブーツが最大限まで伸ばされるという過酷な使用状況でも、10万キロ以上を耐えられるのだから、耐久性は上々と判断できる。
長く使い続けるよりも、タイヤローテーションのついでに点検を続け、破れている状態を発見したならのならさっさと交換して、新鮮で柔軟性のある新品ステアリングラックブーツに交換すべきだろう。ネオクラ車のゴム部品ゆえ、純正品社外品問わず、供給が未来永劫続くとは限らない。
走行距離:390,816km