スプールバルブパッキンは、B型エンジンにおけるオイル漏れしやすい部分の一つ。カムの切り替えのために高い油圧が掛かる部分で、さらにエンジンの熱も直接伝わる。経年で劣化したパッキンは硬化し、密封ができなくなってエンジンオイルの漏れが生じるようだ。

スプールバルブ

デスビの手前側に、ハイカムとローカムを切り替えるスプールバルブが装着されている。エンジンオイルはスプールバルブとエンジンヘッドの接合面の下部から滲むように漏れ出してくる。

前回の交換から10年10ヶ月、約20万キロが経過

過去の作業レポートを見直していたところ、スプールバルブパッキンの交換については10年10ヶ月、約20万キロが経過していたことが判明。

初回交換日

2013年6月8日に作業を実施。スプールバルブ下部からオイルが滲んでいることを発見し、すぐに交換用の2種類のパッキンを手配。作業を行った記憶がしっかり残っている。

初回交換走行距離

作業当時の総走行距離は176,214km。

1998年5月登録で、15年17万キロを走って2013年6月に1回目の作業。そこから2024年4月末までに10年20万キロを走っており、2回目の交換を行うには頃合いだ。再びオイルが漏れてしまう前の、予防保全として交換作業を行うことになった。

なお、レポートの内容は1回目と2回目で殆ど同一となるため、1回目のレポートは公開終了とした。

新品のスプールバルブパッキン

スプールバルブパッキンは、2024年4月現在でも新品で購入することができた。部品価格は2013年よりも値上げしているが、購入できるだけマシと捉えている。

 15825-P08-005  フィルターASSY.,スプールバルブ  1,507円  1個
 36172-P08-015  フィルターASSY.,ソレノイド  539円  1個

交換作業

エンジンが完全に冷えている状態で、作業をスタートする。まずは経年と熱で脆くなって割れやすくなっているカプラの切り離しからスタートする。

ブラケットからの取り外し

矢印のツメを押しながらカプラ全体を上に引っ張ると、ブラケットから取り外すことができる。

カプラの切り離し

続いて、矢印のツメを押しながら、カプラのオス側とメス側を切り離す。カプラのツメが割れやすくなっているので、強く押し込まないように注意が必要。

切り離し完了

カプラの切り離し完了。

防水パッキン

スプールバルブ側のカプラ内部から、防水用のパッキンが出てくる。落として無くさないように注意。

ボルト部分

3本のボルトを外すと、スプールバルブがエンジンヘッドから取り外すことができる。ボルトやバルブ本体は共に固着している場合があるため、慎重に取り外すこと。

パッキン交換中

スプールバルブ本体が外れれば古いパッキンが見えるので、溝を傷つけないように細いマイナスドライバー等でゆっくりと剥がす。古いパッキンがはまっていた溝は、清掃を兼ねて確実に脱脂しておく。

エンジン側

エンジンヘッド側からはオイルが出てくるが、ジャッキ等で車体を助手席側にロールさせておけばいくらか出にくくなる。エンジンヘッド側も清掃を兼ねて十分に脱脂しておき、パッキンを組み込んで元通りに取り付ける。ボルトの締め付けトルクは12N・m(1.2kgf・m)となっている。

ソレノイド部のボルト

次にスプールバルブ上部、ソレノイドASSY内部にあるパッキンを交換する。プラグコードを作業の邪魔にならないところに寄せておき、3本のボルトを外してソレノイドASSYを分離する。こちらでもボルトやソレノイドASSYが固着している場合があり、慎重に作業を進めること。

ソレノイド部

バルブ側に損傷がないかチェックし、脱脂を兼ねて清掃しておく。

バルブ内パッキン

ソレノイドASSYから古いパッキンを外し、溝の清掃と脱脂後、新しいパッキンを組み込んで元に戻す。締め付けトルクはトルクは12N・m(1.2kgf・m)となる。

試走

全てのパッキンを交換してスプールバルブを装着、カプラを完全に接続し終えたら走行テストとなる。エンジンを始動し、エンジンチェックランプが点灯しないか。

ピークホールド表示

ピークホールド表示、フルアクセルにつき負圧計は0kPa付近、タコメーターは8,400rpmを示す。

低速から8,400rpmまでキッチリ回して、ローカムからハイカムへ切り替わり、またハイカムからローカムへ確実に戻るか。

オイル漏れや滲みはないか

最後にエンジンオイルの漏れや滲みが無いか。これらのチェックで全て異常が無ければ、作業は完了となる。

外したパッキンは硬化しており、弾力を失っていた。熱によって膨張と収縮を繰り返すうちに密封できなくなり、オイルが滲んでしまうことは、その構造上仕方ないのかもしれない。

ボルトは固着気味で、緩む瞬間にバキッ!と極めて心臓に悪い音が響く。スプールバルブ上部のボルトが折れたならともかく、エンジンヘッド側のボルトが折れ込んでしまうと、その時点で不動車化、エキストラクターを使った破損ボルトの除去と厄介な付帯作業が追加される。

作業そのものは15分程度で終わるが、先述したようにボルトが折れてしまうリスクが存在する。少しでも不安を感じるのならば、プロに交換依頼を出すのも手段の一つ。折れたボルトを除去して復帰するまでのコストを考えると、工賃のほうが安くなる。

走行距離:377,595km

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