ブレーキブースターとインマニを繋ぐホース…マスターパワーチューブ、もしくはバキュームホースは2020年早々に欠品となったようで、新品での入手は不可能となっている。
赤い矢印間のホースがマスターパワーチューブ…46402-S03-J21で、エンジンの吸気を利用してブレーキブースター内の真空状態を保つ。現車では2016年1月に予防保全で交換し、リフレッシュ済み。
純正パーツが欠品となっているなら、代替品を探してみようという興味本位からの調査がスタート。他車種の部品を何点も入手して調査し続け、うまい具合にヒットしたのがS2000用のマスターパワーチューブだ。
▲画像は4輪事業部の作業日記、s2000車検
より引用。
写真左上のブレーキブースターから、縦置きのエンジンを横断するように配置され、インマニに繋がっている。これだけの長さのホースならば、切断加工して使えるかも?という極めて単純な思い付き。
続いて、S2000のパーツカタログを開くと、2種類のマスターパワーチューブが設定されていることが分かる。カタログ上では9番がAP1用、25番がAP2用となっているが、2023年5月時点では統廃合が行われ、25番が引けるようになっているようだ。
| 25. | 46402-S2A-013 | チューブASSY.,マスターパワー | 3,620円 | 1個 | |
部品番号が判明し、さっそく発注。
届いた現物。HONDA GENUINE PARTSと表記された赤い部品番号ステッカーは独特の安心感がある。
袋から取り出したホース全体像。あちこちに曲線部分が成形されており、EK9用のストレート形状のホースとは大違い。しかし、この多くの曲線部分が、意外にもEK9にフィットするような曲げ方になっていた。
注意
この先は、ブレーキ系統の部品をいじる。しかもEK9シビック用ではない、他車種の部品を流用、手を加えて使用する。万一の事故や加工ミスへの不安が極僅かでもあるなら、絶対に作業しないこと。Informationページ
にも記載しているが、部品の流用は推奨していない。
当レポートを読んだ閲覧者が自身の所有(使用)車に施工し、起きた結果は全て閲覧者自身の責任となる。
小加工について
S2000用のマスターパワーチューブをそのままEK9へ装着すると、その長さからホースが余ってしまう。そこで両端を切り落とし、長さを調整する。
まずはマスターパワー側。U字型のヘアピン形状部分からL字型のカーブを辿り、このL字型カーブが終わったあたり…赤い点線の位置で切断する。ホースは5mm近い肉厚があり、切断にはハサミではなくカッターナイフを使う。
続いてインマニ側。予めセットされているクリップを外した痕跡部分から、僅かにエンジン側にズレた黄色い枠あたりを軽く潰してみると、硬い感触がある。内部にはオリフィス(絞り)が組み込まれており、ここを避けつつ曲線が終わる白い点線部分で切断する。
オリフィスまで残り1mmほどで、ちょうどいい位置で切断できた。
オリフィスはホース内部にwidth="640" height="480" 組み込まれている部品でもあるので、移植しなければならない。切り離したホースからオリフィスを取り出した。
加工したホース内部にオリフィスを移植。棒状の工具…プラスドライバーや6.35mmラチェット用のエクステンションバー等で、4cm程度ホース内部に押し込んでおく。
最後にEK9では使わない2つのクリップを除去して、小加工は終了となる。
ホース装着作業
既存のマスターパワーチューブを外す前に、ブレーキペダルを何回か踏んで負圧を除去しておく。
マスターパワーチューブには装着する向きがある。ホース表面には『ENGINE ←』と多数印刷されており、矢印の方向にインマニを繋げるようにする。つまり、インマニ←『ENGINE ←』←ブレーキブースターという接続順序になる。
ブレーキブースター側からホースを装着していく。ホースの曲線部分が、燃料フィルターとフューエルフィードホースを自然と避け、しかもホースブラケットに完全に沿う形状になっており、EK9純正ホースよりも余計な曲げストレスが掛からない。
続いてインマニ側を装着。こちらもホースの曲線形状により、そのままインマニ側の接続部分にピッタリ合致し、『ENGINE ←』の表記どおり。ホース両端の固定用クリップは、マスターパワーチューブにセットされていたものを使用する。
EK9に、小加工したS2000用マスターパワーチューブを装着した。フューエルフィードホースやアクセルワイヤーといった隣り合う部品には一切干渉していない。この仕様での走行を繰り返したところでは、負圧抜けやブレーキフィーリングが悪化するといったトラブルは起きていない。
全く違和感なく装着できており、S2000用の部品を流用していることはぱっと見では分からない、純正然としたスタイル。
〆
テストは2023年3月からスタートしており、春から夏、秋に掛けて約半年間走り回り、問題は一切起きなかったことから、流用ネタのレポートとしてまとめることになった。
春先のテスト開始時点では、ホースの切断位置を見定めるために少しずつ切って微調整することを優先していたため、どの位置で切ればいいのか分からなくなった。そこでS2000用のマスターパワーチューブを再購入し、レポート用写真のために切る位置を撮影し直している。
外したEK9純正のマスターパワーチューブはすぐに処分せず、しばらくの間は保管しておく。これは流用装着したS2000純正のマスターパワーチューブで問題が起きた場合、EK9用の純正品に戻して復旧できるよう、一種のバックアップ手段となるため。
走行距離:371,601km