パワステ関係の完全リフレッシュを行ったのが2017年2月1日、239,761kmだったlink。当時、油脂関係の管理を行いやすくするため、『パワステオイル次回交換予定:300,000km』と記載していた。

その30万キロに到達する前に新品のパワステフルードを手配、交換計画を立てていたが、タイミングベルト交換時のトラブルやコロナ禍、猛暑による作業延期が重なってしまい、予定を先延ばしにし続けていた。ようやく作業に着手できる日が確立し、フルード交換を行うことになった。

フルードが透けて見えるリザーブタンク

パワステ用のフルードは、この赤いキャップのリザーブタンクに注入されている。ここから油圧ポンプでステアリングギアボックスに圧送され、ステアリングの動作をアシストした後は再びタンクに戻ってくる。このタンクは0.4Lの容量があり、そこに各部品内のフルードを合わせた交換容量は0.85Lとなっている。

フルードの交換

タンクから古いフルードを抜き、新油を注入してエンジンを回したところで、油圧ポンプ、ステアリングギアボックス、配管内に残った古いフルードと混ざってしまい、交換効果は出にくくなる。そこで各部内のフルードを含めて交換する方法を採る。

ぶっとい注射器

まずはリザーブタンクから古いフルードを抜く。フルードの吸引はぶっとい注射器こと、100ccのシリンジを使用した。

古いフルードを抜き取る

シリンジを使って、フルードを抜いているところ。リザーブタンク内のフルードが全て抜けたら、新油を流し込むためのちょっとした器具をセットする。

重力落下式のフルード注入器具

器具といっても、その実態は底を切った適当なペットボトル。ボンネットにペットボトルを吊り下げて、ホースでリザーブタンクと接続する。リザーブタンクの口は23mm(実測値)なので、外径23mmのホースがピッタリあう。各接続部はビニールテープをきっちり巻いておけば、作業中に漏れることは無い。

リターンホースとリザーブタンクの切り離し

続いてリターン側のホースをリザーブタンクから外す。リザーブタンクの接続口はビニールテープで封じておき、漏れが起きないようにする。外したリターン側ホースは別に用意したホースを使って、車外へ延長しておく。

排出したフルードは廃油ボックスへ

延長ホースの先は、廃油ボックスへ。

吊るしたペットボトルから新油を1L少々を注ぎ込み、エンジンを始動してステアリングハンドルを左右いっぱいにゆっくりと切る。するとリターン側ホースから最初に古いフルードが押し出され、次第に新しいフルードが出てくる。ペットボトル内のフルードを完全に吸い切る直前にエンジンを停止し、パワステポンプのエア噛みを防ぐ。

パワステフルード交換中

その他、特記事項として。

・液面はリザーブタンクのUPPER LEVEL(上限線)に合わせる。

・ハンドルを左右に切ることから、フロントタイヤをジャッキアップしておく。

・バンパーと左側ヘッドライトを外し、リザーブタンク周辺の作業スペースを確保。

吊るしたペットボトルに新しいフルードを注ぐと、重力と大気圧でリターン側ホースから古いフルードが少しずつ押し出されてくる。エンジンを始動していなくてもダラダラと流れてきて、さらにリターン側ホースの傾斜が足りず、まさかの逆流。フレーム周辺が油まみれになってしまい、拭き取り掃除に一苦労する羽目になった。

交換終了後

ホンダ ウルトラPSF-II使用したフルードは、ホンダ純正のウルトラPSF-II/08284-99904(画像は、ホンダの公式Webサイトより引用外部リンク:Honda公式Webサイト)。必要量は0.85Lだが、この4L缶では大量に余ってしまい、吊り下げたペットボトルには1.5Lも入らないことを利用し、押し出し式連続交換法を繰り返して、各部に残る古いフルードを徹底的に排出しておく。最終注入用の新油まで使い切らないように…。

リターン側ホースを接続するときには、一旦リザーブタンクを空にする。ここで内部を見てみると、小さなゴミが少量だが溜まっていた。タンク内にはフィルターがあるようで、そこでキャッチされたものが見えたのかもしれない。新しいフルードを注入する前に、ゴミを吸い出して内部の簡易清掃を行っている。

パワステフルードの比較

左:作業開始時に抜いた古いフルード、中:押し出し式連続交換法を一回行って、リザーブタンクから抜いたフルード、右:缶から取り出した新しいフルード。新しいフルードを供給しながら古いフルードを排出しても、多少は色がついてしまうようだ。

リフレッシュから74,430kmで、ここまで黒くなることが分かった。ボトルを振ってみると、新品に比べてサラサラしており、汚れるだけでなく粘度も落ちてしまうようだ。過去、フルードが古くなると、配管の継ぎ目部分やシールから漏れやすくなるから注意しろと言われているが、この粘度の変化具合があったからこそのアドバイスだったようだ。

交換後のテスト走行ではハンドルを急に切る、緩やかに切る、いっぱいに切るといった操作を左右共に行い、リターン側ホースとリザーブタンクの継ぎ目部分の抜けがないか、異音や振動、ステアリングハンドルの重さが変わるといった不具合が生じていないか入念にチェックする。また、この操作によってエア抜きも促進されることになるので、テスト終了後はリザーブタンク内の液面位置を必ず見直す。フルードを全量交換したことでハンドルが軽くなる等の、フィーリングの向上は特に感じることは無かった。

新しいフルードでが透けて見えなくなったリザーブタンク

新しいフルードになったことで、リザーブタンクを透かして見る液量や状況は分かりにくくなる。フルードが古くなると不透明なリザーブタンクからでも様子が見えてくることから、ある程度の目安になる。

取扱説明書、メンテナンスノート、サービスマニュアルをそれぞれ参照してみると「漏れがなく、リザーブタンク内の液量が適切であることを確認する」と書かれているだけで、具体的な交換時期…年数や距離の記載がない。今回の作業で分かった色の変化具合、サラサラになっていた粘度、リザーブタンク底の汚れ方からすれば、適当なタイミングで交換したほうがいいのかもしれない。

完全リフレッシュしたとはいえ、リザーブタンクの底には汚れが少なからず溜まっていたことはけっこう意外だった。構造上、リザーブタンクのキャップは完全密閉ではなく、ついでに油圧ポンプやステアリングギアボックス内の汚れが回ってくる仕組みだ。リザーブタンクは非分解で、洗浄してまで使うものではない。次回のフルード交換では、リザーブタンクの交換も含めたい。

その次回の交換タイミングは、抜いたフルードの状況から運用終了目標としている38万キロ前後になるが、ゴール目前で金を掛けて作業することなのか?という思いがある。

走行距離:314,191km

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