EK系シビックは多くのグレードが設定されていて、中でもSiR/SiRIIだけの豪華装備として、リアシートにヘッドレストが設定されている。カタログ上での正確な表記は、『リアシートピロー(穴あき)』となっている。
これがSiR/SiRII用のリアシート。ヘッドレストがあるおかげで、リアシートでも実に快適に着席することができる。シートが若干傾いて写っているのは、首都高上で自損事故を起こした
際に側面を大きくヒットさせた影響によるもの。
イマ車の代表格、びんとろ氏のGP5
のフィット。リアシートは三人掛けとなっており、中央部分にもヘッドレストが装備されている。普段の乗車においては頭の座りが良くなり、背もたれにしっかりと体重を掛けることができて、ゆったりと座ることができる。
こちらは見慣れたEK9タイプR用のリアシートで、先に掲載したEK4シビックSiRIIやGP5フィットと違い、ヘッドレストがない。実態としては、リアシートにヘッドレストがないのが標準で、他のグレード…EK2(EL)、EK3(VTi、Ri)においても同じ。シート表面のデザイン、内部ウレタンの成形に違いがあるくらい。着座しているときは頭を預けることができず、疲れやすいことから長時間の乗車には適さない。
何が問題か。車内居住性の悪さではなく、万一追突された場合、ヘッドレストがないリアシートの乗員は、首(脊椎)に対する防御手段が一切ない点に気づいたことだった。先に掲載したGP5フィットのリアシートでは、三人目用のヘッドレストもあり、フル乗車中の追突事故にも配慮していることが分かる。ドライバーだけでなく、乗員全員の安全性確保は、もはや必須だろう。
毎日の買い物車だけでなく、送迎でリアシートに人を乗せる機会が当たり前のようにある以上は、気づいた問題点を早めに解決しておくべきと判断した。程度のいいSiR/SiRII用の中古リアシートが見つかれば、即ゲットして交換することにして、幸いにもすぐに入手することができた。これがまた非常にレアなシートで…。
後期型SiR(GF-EK4)のリアシートだ。シート表面のデザインが変更されており、前期型ではRECARO SR-2のルマンカラーのような柄模様に対し、後期型では青い稲妻模様のデザインに替わった。タイプRが出てからというもの、SiR/SiRIIの販売台数は少なくなったそうで、そんな数少ない後期型SiRのリアシートを譲ってくれることになった。
ただ車体に装着して終わりにするのではなく、中古として入手したからには、まずは清掃してキレイにすることからスタートだ。
シートヲキレイニセヨ
シートの清掃作業に関しては、びんとろ氏が行ったレカロシートの導入
で行った作業をそのままお借りした。スチームクリーナーで、シート表面を清掃していく。
スチームクリーナーでクリーニングし、よく乾かした後は写真左側の東芝マテリアル製のルネキャット消臭除菌液
を満遍なく吹き付けていく。
とどめに、びんとろ氏オススメのルネキャット光触媒スプレーを噴射。これでシートのニオイをだいぶ消臭することができた。
シートの移植作業
他グレードのシートに換装するにあたっては、加工等は一切必要なく、ポン付けで行うことができる。作業はリアシートを取り外す
ことから始まる。タイプR用の背もたれが無事に外れたら、次にトランクフロアマットをSiR用背もたれに移植する。
トランクフロアマットは背もたれ背面に装着されており、背もたれ一つあたりクリップは7個使われている。写真内にも記載したが、実際は左右の背もたれ両方から合計14個のクリップを同時に外す。クリップが外れたら、青矢印方向にトランクフロアマットを引っ張り、背もたれから引き抜く。
外したトランクフロアマットをSiR用背もたれに移植しているところ。背もたれのフレームのフックに、トランクフロアマットのプラスチックフラップを引っ掛けるようにしてセットする。しっかりとフックに掛かっていると、トランクフロアマットに空けられたクリップ用の穴、背もたれのフレームの穴それぞれがピッタリ合う。14個のクリップを押し込んでセットしていく。
シートの取り付けは取り外し時の逆となる。後期型SiRのリアシート、EK9に装着完了。ルームミラーからの後方視界では、常にヘッドレストが見えるようになったが、リアシートに人を乗せていれば顔が見えていた経験もあって、そこまで違和感は無かった。さっそく送迎運用に入り、安全性が向上したヘッドレスト付のリアシートに二人乗ることになった。「あれ?変わった?」と、すぐに気づいたようだ。
2021年1月16日以降の様子
純正の赤いフロアカーペットが経年で傷んでしまい、通常グレードの灰色仕様のフロアカーペットに交換した
。赤い印象の車内に、青い稲妻模様のシートは色のバランスが明らかに変だったが、灰色のフロアカーペットのおかげでいくらか落ち着いた。
シートの配色パターンの観点では、間違いなく前期型SiR/SiRII(E-EK4)のほうが勝る。1990年代後半の車内デザインは、単色ではなく原色を混ぜた模様を配置するのが流行りだったのだろうか。
2022年10月8日以降の様子
灰色のフロアカーペットと青い稲妻模様はミスマッチ感が増し、車内の印象は芳しくなかった。やはり前期型SiR/SiRII(E-EK4)のリアシートの方が理想的で、いつか手に入れてやると探し続けていた。チャンスは突然やってくるもので、取り引き交渉成立。長年探し続けていた前期型リアシートをついに入手できることになった。
クリーニングと補修を経て、後期型のシートと入れ替える。前期型のリアシートを目の当たりにするのは、実に17年ぶり。ルマンカラー風のシートデザインで、そうそうこんな感じと懐かしささえ感じる。青い稲妻模様で妙に明るかった車内は、程よく暗くなって落ち着いた印象になった。
2024年3月9日以降の様子
遂にSiR/SiRII(E-EK4)用の黒いフロアカーペットを入手することができた。取り外しに伴う切断やホツレがあるような損傷具合は、この手のものにはよくあることだが、譲っていただいたフロアカーペットはそれらダメージが一切ない。
灰色のフロアカーペットを外し、パネルのコンディションをチェックした後、EK4用の黒いフロアカーペットを装着。内装やリアシートを元に戻すと、懐かしいEK4仕様に仕上がった。実に19年ぶりとなる。
足元が適度に暗くなり、リアシートとの色のバランスも良くなった。理想としていたリアセクションはこれで完成となる。
〆
かつてのハッチバック車では、リアシートはおまけ扱いされていたことから、ヘッドレストはいわば高級グレード向けの装備でしかなかった。EK系シビックは20年前の旧い車ゆえ、そのような仕様となっていたことは時代背景も関係している。
SiRII用リアシートに換装したことで、快適性と安全性を底上げすることができた。長時間の乗車における、後部座席の快適性向上に繋がればよく、当然ながら安全性…つまり、追突時のダメージ低減効果が発揮されないよう、祈るばかり。
いや、後方からの車両にも気を配らなければならない。というのも、自動車が進化するにつれて、衝突軽減ブレーキなるシステムを搭載する車両が増えているが、それを使用者が「自動でブレーキしてくれる」「ブレーキを踏まなくて大丈夫」と盛大に勘違いして追突事故に至るという、過去では考えられない事故が少しずつ起き始めた。
車を運転するうえでの基本ポリシーは『道路上の他車は、総員凶器を持った狂人と思え』なので、防御力を高めておくことは悪いことではない。
走行距離:274,536km