Celeronでゆで卵だ。この強敵を倒すべく、再び立ち上がった。

セットアップ中につき

再セットアップ開始…。

構成など

以前はCPUの上で直に熱するという方法を取った。このため、熱が逃げることなくコアに直撃してしまい、焼死させてしまうという結果に終わった。考えを改めて「熱を移動させて、移動先でゆで卵を作る」という方法を思いついた。熱を移動させるために、非常に便利なブツが存在する。

水冷キットを導入

それがこの3R SYSTEMのPOSEIDONという水冷キットだ。直接熱さないで、間接的に熱してしまおうという考えだ。ラジエータを接続した状態で予備実験を行ったところ、水冷本来の冷却力を存分に発揮してしまい、全く水が温まらなかったため、ラジエータレスとした。接続は以下のとおり。

間接的に加熱する

CPUで熱せられた水は、ポンプを経由してビーカー内の卵を温める。水は冷却されることなく、CPUに戻ってさらに熱せられ、ポンプを経由して…という無限ループを繰り返す。CPUにとっては極めて酷な状態に陥るのは目に見えている。熱源となるCPUは、以前と同じようにPrescottコアのCeleronDだ。ただし、周波数は2.66GHzから2.40GHzへ、モデルナンバーでいうところの330から320へ落ちている。この変更については単純な理由で、330が入手できなかったため。ビーカーに刺さっているガラスの棒は、温度計。媒体は、水道水ではなく精製水とした。これについては大きな理由はない。

実験機はWindowsXPが通常通り扱える環境に仕上げていて、オーバークロックなどの設定は行わず、全て定格で動作させた。オーバークロック状態で、二度も壊してしまうわけにはいかず…。マザーボード後部に見える12cmファンはチップセットの冷却用で、CPUへの影響を考えて吹き付けずに吸出しにした。

熱対流を意識してみる

ビーカー内においても一工夫していて、吐出管を底部に、吸水管を上部に設置した。こうすることで熱の対流が生まれて水温上昇が促されるかもしれない。また、温度計は吐出管から離れた位置に立てて、熱の影響を与えないようにしている。ビーカーに載っているのはサランラップ。熱を逃がさないようにするために巻きつけた。

ルールなど

ゆで卵は、外側の白身から固まるかと思っていたが、実はそうではなく、内側の黄身から固まるらしい。70℃まで熱すると黄身が固まり、白身はやわらかい状態の「温泉卵」が出来上がる。これも「ゆで卵」の一つに分類できるという。そこから白身を固めてちゃんとした「ゆで卵」にするには80℃まで熱さないとダメのようだ。
CeleronDの最高動作温度は67℃。それをはるかに上回る温度まで熱さないと、ゆで卵は実現しないのである。前回の実験では94℃まで上昇させて、焼死させた。失敗前提で実験を行っているが、目の前で焼死されるのは、想像以上にショックが大きいもの。ゆで卵の完成と安全を考えて、85℃を限度とした。卵が茹で上がるかコアが焼け死ぬかの究極実験になるだろう。

1.コア温度が85℃に達した時点で実験終了とする。
 安全を考えてのルール。80℃がゆで卵の完成ラインとした。

2.熱暴走が頻発して正常動作ができなくなった場合は実験終了とする。  これも安全を考えて。正常動作しないのに、実験が進むとは考えられない。

実験開始

実験日は、曇、室温20℃、水温20℃という絶好な環境下で行われた。火力調整は、前回同様午後のこ~だを使った。「午後べんち 耐久ベンチ」を用いることで、持続的に火力を「強火」に設定することができる。耐久ベンチを開始してもフリーズすることなく、順調にコア温度が上昇していった。

湯気に包まれるポンプ

水温が60℃を突破し、コア温度は最高動作温度の67℃に。まだ安定している。

気泡に包まれる卵

気泡に包まれる卵と吐出管。何もかもがスムーズすぎる。前回の実験がウソのようだ。

上がらない、温度

実験を開始してから3時間が経過したころ、ある一つの点に気づいた。

温度グラフ

今回は時間と温度の関係を測定していたりするのだが、温度が上がらなくなっているのに気づいた。コア温度は72℃、水温は66℃で変化が見られなくなった。210分目に入って調べてみても、やはり温度変化は見られない。熱の均衡状態とでも言おうか、これはこれで安定してしまい、動きがなくなってしまった。これ以上待っても変化は無いだろうから、ついにオーバークロックという危険な世界へ…。

オーバークロックでシバく

133MHzから150MHzにアップすることで、CPUの周波数は2.7GHzに突入。300MHzのアップになるわけだが、安定して耐久べんちに耐え続けている。電圧調整機能があれば、もう少し酷いこともできるだろうが、使っているマザーボードの仕様上、できるのはここまで。

実験終了

オーバークロックさせたCeleronD320は、最高動作温度をオーバーした環境下において、2時間に及ぶ耐久ベンチを耐え切ってしまった。

結局頭打ち

やはり、コア温度は72℃、水温は66℃で安定していた。CPUというのは、予想以上に強い半導体のようだ。ここで実験打ち切り。CPUは生還したが、ゆで卵ができないことによる「二度目の敗北」が脳裏によぎる。とにかく、卵の様子を調べてみないことには判断が付かない。
卵をビーカーから取り出してみると、生卵特有の感触が全く無く、ずっしりとした重さが感じられた。僅かな期待を胸に、殻を少しずつ割って中身を皿に落としてみると、驚くべき状態になっていた。

黄身が硬いぞ?

いわゆる「温泉卵」状態で、白身はやわらかく、黄身が硬い。

ゆで卵、完成!

黄身部分を割ってみると、硬化していた!

完成!!温泉卵状態ながら、ゆで卵は完成させることができた。あと僅かな水温上昇があれば、固ゆでの状態に持っていくことが出来たと思う。発熱が安定してしまうという予想外な事態が発生したものの、Celronの発熱でゆで卵を作るという試みは見事に成功したのである。塩をまぶすなり、醤油を垂らすならすなりして、頂くことにしよう。