(ザ!鉄腕! DASH!!風に)CPUの発熱で卵を焼くことは、既に出てきているネタだが、ゆで卵は見たことが無い。ならばやってみよう。CPUの発熱でゆで卵を作れるのか!?

近頃のCPUの発熱は凄いもので、手のひらに載せられる半導体を正常に動かすためには、下の写真のような大型のヒートシンクが必要になる。

intel純正CPUクーラー

発熱は小さなヒーター並みなので、誰が思いついたか、目玉焼きを作る人が現れた。中にはたこ焼きを焼く方法までも出てきた。しかし、冒頭で書いたようにゆで卵はまだ見たことが無い。では早速やってみよう。

調理の材料を揃える

・普通のパソコンとして使える環境
・冷蔵庫にある比較的小さな卵
・小さいボウル

これだけだ。普通のパソコンとして使える環境と書いたが、壊しても問題ない環境がいいだろう。発熱元となるCPUはPrescottコアのPentium4がよかったのだが、残念ながら処分済み。買い戻すのもアレなので、同じくPrescottコアをベースにしたCeleron Dで我慢することにした。

Celeron Dのリテールパッケージ
Celeron Dのスペック

1万円を切っていたCeleron D 330を選択。周波数その他は写真から読み取って欲しい。TDPは73.0Wなので、それなりに発熱することが分かった。メモリー、ハードディスクなどの構成は省略。

よく見るテストベンチの光景

まずは普通にWindowsをセットアップする。トラブルもなく、セットアップは終了。かなりうるさいリテールファンだ。より発熱を促すため、3GHzを目標にオーバークロックをしてみたのだが、2.9GHz付近で起動しなくなった。オーバークロック状態で稼動させるのは断念して、定格で動かすことにした。

しっかりとグリスも塗る

セットアップが終わったら、いよいよセッティングに入る。ボウルは直径10cmほどの小さなヤツで、100円ショップで買ってきた。CPUに載せてみたところ、リテンションにすっぽり収まった。試験台が水平だったので、固定することなく、シリコングリスの粘性だけでボウルを支えている。温度を計測するために、CPUとの接点付近に温度センサーを貼り付けた。

マザーボードにボウルが載る変な光景

ボウルに卵を入れて、水を注ぎ込む。こぼさないように、計量カップでゆっくりと注ぎ込む。卵が完全に水没するくらい、たっぷり水を注ぐ。さらに水温を計るため、水にも温度センサーを設置。後々口に放り込むので、温度センサーの汚れが水の中を漂ってはいい気分がしない。そこで、水面付近の設置となった。これで準備完了だ。

ゆで卵製造装置と化したパソコン

(Powered BY intel Celeron)ゆで卵製造装置の全体像だ。水厳禁の精密機器の上にボウルと卵が載っている様は奇妙な光景だ。この時点でもはやパソコンではない。ちょっとばかり緊張しながら、電源ボタンを押す。いつものように、起動。お、ファンレスで起動した。まだトラブルはなく、デスクトップが表示された。起動は成功だ。

「火力調整」として、午後のこ~だに含まれる「午後べんち 耐久ベンチ10分」を用いたのだが、ここで1回目のトラブル発生。フリーズした。恐らく熱暴走だろう。いったん、電源を切り、少し冷ましてから再起動。「強火」だと、卵が茹で上がるどころか、機器のほうが壊れるので、デスクトップが表示されたまま、待機状態で水を温めることにした。CPUに負荷がかかっていないにも関わらず、水温はどんどん上昇、ボウルの底には、泡が立ち始めた。

泡が出てきた

順調に水温が上がっていて、泡の量は増えていく。

明らかに加熱が続いている様子

いい傾向だ。水温はどんどん上昇している。

温度センサーは50℃を検知

ボウルの底に取り付けた温度センサーは50℃となったところで、2回目のトラブル発生。またもやフリーズ。先ほどと同じ、熱暴走だ。リセットスイッチを押すが、今度は完全に起動しなくなった。同じように少し冷ましてからBIOS画面を見たところ、驚くべき温度が表示された。

まさかの温度上限値オーバー

きゅ、94℃!?

94℃を一定に保っている。このCPUのコアの最高温度は67℃で、27℃も上回っていることになる。こんな状態でまともに稼動できるはずがなく、これ以降、正常に起動することはなくなった。いくら冷ましても、起動時の「ピッ」すら鳴らなくなった。これはまずい。頭の中に「出火」の二文字が浮かび、急遽実験を断念し、卵を割ってみた。すると、白身だけだが反応が見られた。

卵を割ってみた

状態から判断すると、これから固まろうという状態だった。熱が伝わりにくい黄身のほうはまったく反応なし。

反応は僅か

全体から眺めても、反応は僅か。結果としては、当然失敗になる。なんとかならないか。水という媒体を経由して温めるゆで卵は、これはこれで難しい。だから、PC雑誌がやらないのかもしれない。ならば、直接熱するいつもの方法なら成功するかもしれない。ほとんどヤケクソ状態だった私は「実験変更」を宣言。目玉焼きを作ってみることにした。

素で焼いてみる

水、殻と熱が受けにくいゆで卵とは違い、目玉焼きは熱を受けやすい。CPUからの熱を受けて、白身が固まりはじめた。いいぞ、いいぞ、これが望んだ反応だ。ジュ~…と焼けるいい音を立てて、目玉焼きへと変わる卵。

しかし、トラブルが発生。マザーボードから「ピシッ、パシッ」と何かが弾けるような音がして全てが止まった。CPUの発熱も止まっている。何が起こったか分からなかった私は、リセットスイッチを押して、再度起動を試みた。しかし、レギュレータ付近から「カタカタカタカタ…」と音がするだけで、何も起こらない。もちろん、立ち上がる様子はない。試しに、CPUを外した状態で電源スイッチを押すと「ピッ」と鳴るだけだ。えー…、これは「Celeronの焼死」という結末か。Celeronよ、卵を焼かないでお前自身が焼けてどうする。そもそもそういう使い方は想定外であり、ツッコミを入れても蘇ることはない。発熱元を失ったので、ここで実験終了となった。完全に失敗だ。

焼けたCeleronを外して様子を見るが、外見上は異常なし。うーむ、内部で焼けたか。とすると、先ほどの「ジュ~…」という音はCeleronが焼ける音で、焼けた影響で回路上に何らかのトラブルが発生し「ピシッ、パシッ」という音が発生したのだろう。そうまとめたところで、ゆで卵は失敗し、目玉焼きまでも失敗だ。マザーボード、CPUと一気に2つの機器を失った。CPUの真上でやらず、別の位置でやれば何とかできるかも。失敗に終わってから、様々な対策が浮かんでくる。その中から一番いい方法を探し出しつつ、ひとまず終了。ちなみに中途半端に焼けた卵は、火にかけられスクランブルエッグとして食われた。つづく…(のか?)

★2005年9月5日追記
この実験の反響にびっくり。いろいろなところからリンクされるようになり、私としてはありがたやありがたやって感じです。本当にありがとうございます。公開後、しばらくしてから「早くやれ」「ゆで卵まだー?」と、ちらほら来るようになりました。早い話がもう一回やれということです。この声に応えるべく、再挑戦することにしました。

DOS/V POWER REPORTでは「究極のたこ焼きPC」があったりで、こちらとしても負けるわけにはいきません。これを書いている今日現在、パソコンのパーツは殆ど処分してしまい、残っているものはありません。再挑戦するには、パーツを揃えなおすことから始まります。資金的余裕が冬まで無いため、もうしばらくお待ち下さい。次こそは成功するように、万全の対策を考えています。

★2006年12月17日追記
再挑戦した結果はいかに!?