バレンタインの14日、総合電機メーカーのT社は公表予定だった2016年4~12月期決算について延期を発表。このタイミングの前々、だいたい今年に入ったあたりだったはずだが、見せびらかす意図があったであろう首から提げた社員証を出したままの社員が、一斉に姿を消したという。
T社が持っていた事業所跡地に、商業施設が再開発された。現在でも土地の名義はT社のもので、ショッピングモールも関連会社のものだ。テナント内の情報から、ショバ代と条件はなかなか厳しい部分があるが、商売も上々というから、再開発事業全体としては成功と言えそう。その成功をどう勘違いしたのか、いつからかT社社員は商業施設内で偉そうに振舞うようになった。
・店員に「あれ」「これ」「それ」と顎で指図。
・社員証をチラりと見せて「うちの会社って施設の大元なんだから、特別割引あるんでしょ?」と。
これらは一部に過ぎないが、社員証は首から提げたままやっているのだから、リスキーなことを平気でできるその神経を疑う。「神になったつもりかよ。お前自身の場所じゃねーだろ」と、往々にして評判は良くなかった。そんな流れが変わってきたのは、2015年の粉飾決算事件。事件の第一報が知れ渡ったのと同時に、あれだけ偉そうにしていた連中が一切見えなくなったというから面白い。今度は白い目で見られる恐怖に怯え、ここでも粉飾していたのかもしれない。
粉飾事件後、一旦は再浮上したかのように見えたころ、応じて社員証を首から提げる社員が再び見れるようになった。当然、偉そうな態度は変わらないし、店側もやれやれといったところだろう。そして今回の原子力事業での巨額損失が発覚し、冒頭のように再び姿を消したそうだ。
このような驕った態度を取る連中は、社内では無能に分類される。社内では全員が同じ社名の組織に属し、上には上がいることを思い知らされており、同時に劣等感も抱いている。そこで社外でT社を表に出し、それ以外は下っ端として扱えば、大手企業のエリート社員としての自分をなんとか保つことができる。ただそれも、上層部が迷走してくれたおかげで、打ち砕かれてしまうのだが。僅かな人数のマイナスの行いが、会社全体の姿勢として見られるなんて社会の常識だ。粉飾として嘘を平気でつける常識知らずが経営陣にいるから、部下までも常識知らずで通ってしまい、何も感じなくなってしまう。
この会社は昔から、社員は神でそれ以外は格下…と見る向きがある。それが炙りだされたのは、古いネットユーザーならお馴染み、あのクレーマー事件だろう。大手企業の社員は優秀で偉いなんて、どこの誰が決めたのか。株式会社の原則を勉強し直せば、本当に偉いのは誰なのかすぐに分かるはずで、結局社員は支配者の傀儡に過ぎないことまで見えてくる。会社本体が混乱し、銀行から金を借りれば借りるだけ、おいしい思いをする人がいるということだ。
ろくでもない会社と知っているから、ここの新品の製品は昔からなるべく買わないようにしている。