出発前にイメトレとして、最大手の山さ行がねが、そして最古ページであろうigex氏(※1)によるレポートを読んでおく。山行がのページ公開日は2009年で7年前、igax氏のページに至っては1996年で実に20年前となる。常に崩落している区間なので、両氏が歩いたときとは状況がまるで異なってくるが2016年3月現在、なんとか踏破できた。
出発準備が整って、佐久間ダム側のゲートに向かう面々。この時点で11時だった。復路を鉄路とするならば、都会の人間からは考えられない列車本数で、列車時刻は予め調べておくことは絶対。中部天竜方面の17時53分の電車を選び、出発時点で残り6時間53分だ。道中、休憩は僅かでほとんど歩きっぱなしだった。見所は意外と多いので、休憩を兼ねて眺めたり撮影したりする余裕が欲しく、遅くても10時前に出発すべきだった。
携帯電話会社3社(NTT Docomo、au、Softbank)全ては圏外。途中、フリークライミングに近いことまで強いられるが、その岩肌は巨大で動きそうな気配はないのに、実際は触れるとグラグラと揺れ動く有様だ。崖下への転落は死亡フラグとなり、救援を呼んだりすることは基本不可能。アマチュア無線があったとしても、うまい具合にワッチしている人はいるのだろうか。
大嵐駅に到着してから分かったことだが、熊が出るそうだ。遭遇したら背中を見せずにジリジリと後ずさりする、荷物を放り投げて気が反れた隙を狙って退避する等の注意書きがあった。カモシカは歩き回っているし、崖上にはニホンザルが活動しており、石が降ってくる。足元にはヒキガエルもいた。常に小さな虫が飛びまわっていて、特に顔面近くでウヨウヨするのが鬱陶しい。空き家になった蜂の巣が落ちていて、土地柄スズメバチの類がいてもおかしくはない。熊やスズメバチの危険性から、どう考えても秋口に出向くのは不向きで、冬の終わりから春前がベスト。今回のように、3月末ですら遅い。
写真を大量に撮影していたのが、サボリーマン。同氏による、2016年の最新レポートを期待。
※1 熱烈なスバル党で、過去は『突然スバルコーナー』なるページがあり、これがとても面白かった。現在は(表向きは)公開停止しているが、今なお再公開を待っているところだ。