中古車として納車した時点では、エアクリーナーはA’PEXiのパワーインテークが装着されていた。オーナーは当初「(カッコいいから)このままでいい」と言っていたが、車の勉強を続けるうちに『燃調補正が必須』とされていることを知る。 当然、ECUはノーマルのまま。必須とされていることをやらないのは気味が悪いし、ECU側に安全マージンがあったとしても、長期的な影響は不明となってしまう。エレメント本体の寿命を迎えたことや、パワーや剥き出し型という見た目よりも、純正ならではの耐久性を優先するために、ノーマルに戻すことを決意。作業に取り掛かった。
剥き出しタイプのエレメントを装着し、純正シュノーケルが残されているという、S15シルビアではよく見るパターン。
エレメントをよく見ると、水滴の痕跡がある。雨天走行時は雨を巻き込んでいた(=水を吸っていた)らしい。
エアフロメーターからエレメントを取り外す。
外れたエレメント。お疲れ様。
残されたエアフロメーターは引き続き使う。Oリングは新品交換、フレームにエアフロメーターを固定していた汎用ステーも外す。
すっきりしたこの空間に、純正エアクリーナーのボックスを取り付ける。
新しいOリングと、集塵側のボックスを取り付け。
新品のエレメントを装着。さすがは純正、基本メンテナンスフリー。
エンジン側のボックスを取り付け。こちら側がエアフロメーターと接続される。
外していたシュノーケルを取り付ければ、完成となる。
作業前と比べると、部品が詰め込まれて密集度が上がった雰囲気となった。
予想通り、吹け上がりの良さと、ブーストがかかってからのパワー感が失われる。ハーフスロットルでの巡航が難しくなったり、走行中でさらに加速する際はギアを落とさないとモタモタする加速になる等、気になる点が多いようだ。(ただし、このフィーリングはタービン交換以前のことなので、タービンがブローしている影響を考慮する必要がある。現在は一通り解消済み。)
このシルビアのエンジンは、4番シリンダーの燃焼状態があまり良くなかった。スパークプラグをチェックすると、4番シリンダーのみ白みを帯びたピンク色になっており、残る三本は正常な焼け具合だ。 純正エアクリーナーに戻したことで、全プラグの状態が同一となった。正しい量の吸気と正確な燃料噴射で、しっかりとした爆発に至ったようだ。