視認性は上々

RCカーを専用サーキットで走らせる場合、ホームコースは静岡県にあるタミヤ掛川サーキットになる。

1/8スケールのエンジンRCカーも走行できるように設計されたコースなので、コース幅、敷地面積共々けっこうな大きさになる。そこに1/10スケールのRCカーを走らせるとなれば、コントロールタワーから見える車体は小さく見えてしまう。

RCカーのボディ作製については、塗装とステッカーの貼り付けが面倒臭く、基本的には公道仕様デザインとしている。GTカーや全日本ツーリングカー選手権、WRCに出ていたレーシングカーをモチーフにしたモデルであっても、黒単色で塗装、ヘッドライトとテールライト、車体メーカーのステッカー類を最小限に貼り付けて終わりとしていた。

適当な広場や駐車場といった限られた範囲で走らせるなら、この公道仕様の黒いボディでも全く困らない。ところが、サーキットで走らせるとなると、黒いボディでは視認性が極めて悪くなってしまい、操縦しにくくなることに気づいた。ものは試しと、エンジンRCカーのボディをARTA NSXに切り替えてみると、蛍光オレンジのオートバックスカラーのおかげで視認性が良くなり、操縦感覚は段違いに良くなった。

電動RCカーにおいても、視認性問題は当てはまる。現在はRCカー趣味は休止状態ながら、将来的に再開した時に備えてレーシングカーをモチーフにしたボディだけは手配しておく。

タミヤ カストロールシビック

カストロール Honda シビック VTiなるボディ。EGシビックならではの平たい印象はしっかりと再現されている。このあたりは、実車をイメージしながら上手にデフォルメできるタミヤならではの仕上がりだろう。白色ベースに、緑色のカストロールデザインのおかげで、黒いアスファルト路面の上でも視認性は高い。

当面は使う予定がないので、EK9シビックRのスペアパーツと共にクローゼット内で暗所保管することになる。実車で散々走り回っていながら、RCカーでもホンダ路線、電動RCカーに至ってはシビックを選ぶあたり、すっかりホンダに毒されていることは間違いない。

実物大モンスタービートルを見に行く

モンスタービートルとは、1986年にタミヤが発売した電動RCカーの一つ。フォルクスワーゲン タイプ1、通称『ビートル』をバギー仕様にカスタムしたものをモチーフとしている。

1/10RC モンスタービートル (2015)

画像はタミヤ 1/10RC モンスタービートル (2015)より引用。

初代は1986年に発売されたモデルで、現在は二代目なって2015年に再販されたもの。タイプ1特有の流線型のボディラインが残っており、そこにビッグタイヤを組み合わせてモンスター化。このテのモデルは基本はオフロード用ながら、実際は道を選ばずにどこでも走らせられるお手軽さが楽しい。

愛知県にあるカーショップ ガレージ愛知は、RCモデルたるモンスタービートルを実車化。しかも公道を走れるようにナンバーも取得したという。タミヤのイベントで展示されることがあり、青森県の七戸町立鷹山宇一記念美術館で実際に見ることができるという情報を得た。

それなら暇だしモンスタービートルを見に行くべーと、青森県は七戸までひとっ走り。「そんな買い物に出かける感覚で、暇だから青森に行くっていうのがもう分からんのです」。

安代JCTを右に

普段なら安代JCTを左、東北道青森IC方面を行くが、今回は七戸方面なので右、八戸道方面に進路を取る。

七戸町立鷹山宇一記念美術館

今回の目的地、七戸町立鷹山宇一記念美術館に到着。七戸出身の画家、鷹山宇一を記念して開業したそうな。ではさっそく、今回の目的であるモンスタービートルを見に行こうではないか。

実車版モンスタービートルとRCカーのモンスタービートル

こいつが実車版モンスタービートルか!と、最初に思ったのはモンスターマシンは相変わらず好きということだった。

車に興味を持ち始めた遠い昔、世の中はいわゆるRVブーム。特にモンスター化するカスタムカーが大好きで、フェニックスオートが作製したランドクルーザーのモンスターカーは憧れの一つだった記憶がある。

実車版モンスタービートルのリア

後方から見る。フロント側でも写っているが、ナンバー付なので公道を走ることができて、しかも3ナンバー車。希望ナンバーで19-86とは、RCカーのモンスタービートルが発売した年を示している。

スケールは1/10

モンスタービートルの足元には、RCカーのモンスタービートルが展示されている。1/10スケールとなれば、実車のタイヤよりも小さいようだ。

実車をモチーフにしたRCカーモデルは数あれど、RCカーモデルから実車を作り上げる逆パターンは、恐らくこのモンスタービートルが唯一だろう。

フロントサスペンション周辺

フロントサスペンション周辺を眺める。3リンクリジッドアクスル式コイルスプリングとのことで、このタイプのサスペンションはどこかで見たな…と考えてみたところ、どうもジムニーらしい。

エアコン用のコンデンサと思われる熱交換器が斜め装着されていて、車内環境の維持も配慮されているようだ。

オフロード走行向けのタイヤ

オフロード車両であることを一目で意識させてくれる、武骨なタイヤ。実はタイヤサイズや銘柄、製造年月まで控えてくるのを忘れており、単純にタイヤと金色のホイールを撮影しただけの面白みのない写真となってしまった。

美術館という一種の清潔感が求められる場所での展示だけに、トレッド面の汚れはしっかりと落とされていた。

ラダーフレームを見る

フレームを見る。車体とフレームを繋ぐマウントの装着方法、各サスアームの繋げ方から、ラダーフレームがベースになっていることを確認。ますますジムニー…であることは間違いなく、JB43ジムニーシエラがベースとなっているそうだ。

リアサスペンション周辺その1

スプリングが微妙にカーブしていたり、ガソリンの給油口がこんなところにあったりと、見るべきポイントは非常に多い。

リアサスペンション周辺その2

リアは4リンクリジッドアクスル式コイルスプリング。写真中央に燃料タンクが見えており、プロペラシャフトと接触しないように凹みが成形されている。これはオフロード走行時、車軸が大きく動くことを想定しているためのもの。

これだけリフトアップされているなら、前後のデフオイルの交換は容易いだろう。

フロントブレーキ

再びフロント側に戻って、ブレーキ周辺。車体サイズに対して、ブレーキは意外と小さい。フローティング型(片押し式)のブレーキキャリパーを使っている構造も興味深い。ちなみに、リアブレーキはドラム式。

モンスタービートルの主要諸元

モンスタービートルの諸元表。M18Aという1800ccエンジンのスペックが表記されており、M型からしてスズキ製のエンジンだろう。エンジンスペックでは125psとなっているが、モンスタービートルとしての主要諸元表では180psという、リッター100馬力エンジンと化している。ここはツッコミどころだろうか。

これだけの大きさながら3ナンバー枠で、最小回転半径は4.9m。一部の立体駐車場は入れないだろうが、国内を走り回ることを想定したスペックになっていることが分かる。

製作中の一コマ

製作中の写真より。ラダーフレームであることを示す写真が掲載されていた。

撮影できるのはこのモンスタービートルゾーンだけで、それ以外のゾーン、タミヤの歴代モデルやジオラマ作品が展示されているところは撮影禁止。ひたすら眺めて、記憶に留めていくという、美術館本来の楽しみ方が求められる。

国宝たる絵馬や鷹山宇一が集めてきたオイルランプの展示も併せて見ていく。このあたりもじっくりと見ていたので、美術館館内にはけっこうな時間を過ごしていた。

満足したところで、青森駅前に向けて出発。土産物や給油を経て、関東に向かって南下を開始。

岩手山のシルエット

岩手山の向こうに日が沈み、山のシルエットが浮かび上がる。時間的に、このまま頑張れば日付変更時間帯に首都高へ入れるペースで、残り600km少々なら7.5時間程度か…と、完全に距離感覚が狂っている。

記憶にないエンジン

エンジンRCカーの再組み立てで、使用するエンジンは再びFS-12S系をチョイスした。

これまで使ってきたFS-12FXは廃棄処分となった。放置期間が長過ぎてシリンダー内にスラッジが発生していた、ニードルを開け気味にしても発熱量が酷く、走行に我慢が強いられる場面も多々あった。これなら、走行風が殆ど当たらないドリフト走行に耐え、少々ラフな扱いでも壊れないFS-12S系のほうがラクだったな…と気づいたことによるもの。

FS-12S系エンジンのストックは3機。ついでに、ここのところのRCカー整理作業で見つけ出したOS ENGINESのMAX-15-LDXとMAX-12-LDXもカウントして計5機。このうち、MAX-12-LDXは中古エンジンだったことでスロットルの固着、圧縮抜けと散々なコンディションだったことから、FS-12FXと共に分解して金属ゴミ行き。

ストック中の12クラスエンジン

こうして4機になった。写真中央が、今回載せることになるFS-12SWG。最も右側にあるのがMAX-15-LDXで、排気量が他のエンジンよりもワンランク上。おかげでパワーと速度は暴力的になるが、TG10Mk.1ではオーバースペックで、ついでにタミヤの掛川サーキットには持ち込み不可となることから、コレクションとパーキングロット用。同時に写る3機のFS-12S系も、元を辿ればOS ENGINESと共同開発品なのに、この扱いは少々不憫。

そして昨日、整理作業中の出来事。片っ端から捨て捨て捨てぇ!と不用品コーナーに投げていたら、青い箱が出てきて作業中の手が止まる。

新品未使用のMAX-12LD-X

OS ENGINESのパッケージ。そこには12LD-Xと表記があり、あれまさか。

OS MAX-12LD-X

開けてみると、またもMAX-12-LDXが出てきた。先ほど金属ゴミでMAX-12-LDXを捨てたばかりだが、こちらは新品未使用。つまりMAX-12-LDXは中古品と未使用品の2機を持っていたことになり、結果的にストックエンジンはすぐに5機に戻ることになった。それにしても、いつ頃入手したものなのか。過去の購入歴をさっと調べてみると、2010年の11月あたりに入手していたようだが、持っていることを完全に忘れるとは。

なかなか問題の多いエンジンで、エンジンブロックが横倒しになっている構造から、放熱性に難がある。エアクリーナーがとても小さく、短時間で頻繁に変えていかなければならない。チャンバー(マフラー)の選択肢が限られる…ということで、シリーズは続くことなく1代で姿を消している。

重心が低くなって、フラフラしがちなTG10Mk.1の挙動が穏やかになるので、走らせやすくなる。ヒートシンクが飛び出さないので、好きなボディが選べる。チャンバー(マフラー)が最短距離で繋がることから、フィーリングのいい吹けとパンチのある走りが楽しめるといったメリットもある。先述したように、掛川サーキットのレギュレーション外なので、やはりコレクションとパーキングロット専用となる。

エアクリーナーは加水分解で崩壊

長期保管だけに、エアクリーナーのスポンジは加水分解を起こしてボロボロになっていた。こればかりは仕方ない。

1/10サイズなら、どう考えてもモーターのほうが軽くて速く、手間も掛からない。そのうち過去の模型用パワーソースとなって、姿を消していくのだろうか。どちらかというと、内燃機関趣味の延長線上にエンジンRCカーを楽しんでいるので、時代に左右されずブイブイと排気音を立てて走らせ続けたいもの。

RCカーのバッテリーの処分とか

エンジンRCカーを少しずつ組み立て直す傍らで、電動RCカー部門では使えなくなった機材は処分しておくことになった。その処分対象とは、バッテリー。

電動RCカーのバッテリーはナマモノでありイキモノであり、ここ一発のパフォーマンスを得るためには電圧計と電流計双方とにらめっこ。ちょっとした取扱ミスで傷み、かといって放置しても過放電で傷む。そんな面倒で厄介なバッテリーは、ここまでの休止期間中ですっかりダメになって、充電しても放電時間が極端に短くなっている。将来的な復帰の際には使えないと判断したため、この整理整頓中のタイミングで捨てることにした。

RCカー用廃バッテリー

他にも処分するバッテリーがあったような?と収納箱の中を探してみると、すぐに発見。非常灯のバッテリー、旧サンヨーの古いバッテリーだ。商標登録の背景から、旧サンヨーのバッテリーは『カドニカ(CADNICA)』となっていて、他にも『ニッカド(サンヨー)』『ニカド(JIS規格)』と基本は同じながら、略称が三つもあったりする。

ニカドバッテリーの成分を構成するカドミウムはイタイイタイ病でお馴染みの毒物で、放出すると環境負荷も大きい。そこで電気店や量販店にあるとされる小型充電式電池専用リサイクルBOXに放り込むことになるが、バッテリーのリサイクルを推進する団体のWebサイトから回収箱の設置状況を検索したころで、実店舗ではそう簡単に見つからない。箱があまりにも小さく、混入を防ぐためなのか、あえて目立たないところに置かれていることが多いからだ。調べて目星を付けた店舗でも、やはり目立たず、少し探すことになった。

これで電動RCカーの走行用バッテリーは全て処分完了。次に走らせる機会があるとすれば、Li-Feバッテリーあたりだろうか。バッテリーはナマモノでイキモノなので、熱中モードになったときに購入するくらいがちょうどいい。

どれだけ集めたのか

バラして放置しているエンジンRCカーを組み立てる前に、交換が必要なパーツやストック状況を見直すことになった。保管ケースを引っ張り出して、中身をチェックすると次から次に同じパーツが出てくる。自分でもよくもここまで集めたなと驚く量だった。

TG10 2スピードミッション

極めて脆弱な部分だった、2スピードミッションの補修パーツが大量に出てきた。試しにヤフオクで部品相場をチェックしたところ、写真内のパーツが全て売れた場合、確定申告が必要になる可能性が極めて大きい。

エンジンRCカーの走行はパーキングロットが主体で、砂や小石で荒れた路面だったことから、一回の走行でミッションギアが使用不能になることもあった。これに対処するため、模型店に行く度にパーツを買い、複数陳列されていれば買い占めることもザラだった。それから休止期間が数年以上経過し、完全にストック状況を忘れていて、改めてチェックして驚いているというのが現在。

グローエンジンの動作に必要なパーツも一通り揃っていたが、エアクリーナーのエレメント、つまりウレタンスポンジだけは加水分解を起こして砕け散ってしまった。ここらは小川精機の互換パーツで揃え直せばいいので、大きな問題とはならない。

完全にパーツが尽きたら、TG10Mk.1は引退させることになるが、パーツのストック量とこの先も休止期間が延長し続けることからしても、10年や20年先でも引退は無い気がする。未使用のスペアエンジンも3機あるので。

EK9のホワイトボディ

新RCカーとして京商のミニッツレーサーを買い、こうなるとチューンパーツや他のボディのラインナップはどうなっているのか、気になってくる。前輪駆動というある種の縛りによって、換えとなるボディパーツは絶望的と思っていた。

いろいろなミニッツレーサーのWebページを見ていて、なんとEK9シビックRのボディパーツが売られていることを発見。現段階ではシャーシの適合不適合が完全には掴めていないが、欠品になってから絶望するより…ということで在庫を問い合わせ、購入可ということで手続きを行い。

HRC EK9ホワイトボディセット

あっという間に到着。実車の伸びのあるデザインに比べれば、ミニッツレーサーのシャーシに合わせてのデフォルメがけっこう目立つ。とはいえ、EK9らしい台形のフォルムはしっかり健在で、雰囲気はいい。

モデル化されているのは後期型で、フロントバンパーにはエクボがある。どうせ作るなら、実車と同じ前期型のシルバーとしたいので、エクボはパテで埋めて、それから白のスポーク型ホイールも購入して…?そういえば、このテの樹脂モデルの模型を作るのは、何年振りか。パテや塗料を一から揃えるとして、このあたりの予算はけっこう掛かることが予想される。

塗料の手配、どういう順番で作ろうか、実車をうまく素材にして…と考えていると、この流れだけで満腹感を得てしまい、これでは典型的な積みプラのオチ。プラモ作りの感覚を思い出す意味を含めて、少しずつやってみることにしようか。

FK8のRCカー

駐車場の問題でFK8シビックRは買うことはできなかったが、モデルなら話は別。RCモデルとして、京商からミニッツレーサーシリーズで販売されており、秋葉原の模型店で現物を何度かチェックしていた。ディスプレイモデルとしても悪くはなく、なんとなく欲しいというか。

最近の報道では、コロナ禍による巣ごもり需要でプラモデルがよく売れているそうだ。これに関連してなのか、室内RCカーとなるミニッツレーサーも在庫切れが多く、当然FK8シビックも品切れが続いていた。んが、突然在庫有りと表示されていて、これはもしかして買いか?

室内RCカーといえば、ABCホビーのポケットレーサーDTMを持っているが、スポンジタイヤが崩壊し、ついでにバッテリーも劣化して使えなくなり、再起するには乾電池仕様に作り替えなければならない。スポンジタイヤは、確かミニ四駆のレストンスポンジタイヤがちょうどいいサイズだったと思うので、こちらは対処しやすい。古いモデルを直していくより、乾電池で走らせられるミニッツレーサーのほうがラクなので。

京商ミニッツレーサーとABCホビーポケットレーサーDTM

購入。向かって右側が、ABCホビー ポケットレーサーDTM。部品取りを買い繋ぎながら、既に3機目。

実車同様、前輪駆動となっているのもポイントで、1/10スケールのRCカーでもFFシャーシを使っているだけに、操縦感覚は親しみやすいだろうか。モーターの慣らしを兼ねて走らせてみると、カーペットでも思った以上によく走る。スロットルを開けながらカーブを抜けていくと、外側に大きく膨らみ始める挙動に、ああこれこれ!と思い出していく。1/10と1/27共通して、感覚は近いものがある。

ミニッツレーサーの購入がきっかけとなり、バラしたまま放置していたエンジンRCカーの復元もスタート。破損部品をリストアップしてタミヤに発注したところ、在庫がなくて10月中旬の発送。少しずつ、元通りにしていくことになった。

リニューアルは2019年?

RCカーで遊びまわることは休止しているが、完全にストップしたわけではない。タミヤの公式Webサイトでは、新シャーシ等の新商品のチェックを常に継続しており、復刻モデル用のパーツが出回れば、ひとまず確保しておくとか。超ローペースながら、ダラダラと続いているくらいが今はちょうどいい。

一方で、長らく販売され続けている商品については「まだ販売されている」とか「今は使わない」といった理由でチェックされることがなくなる。本当に調べることすらなくなり、久しぶりに存在が気になって販売状況を見て、驚かされることが少なからずある。例えばこれ。

黒カン仕様のスポーツチューンモーター

見慣れたスポーツチューンモーター。ノーマルの540SHからステップアップしたい、とはいえモーターに費用はかけたくはない、ついでにメンテナンスも最小限に留めたいという欲求に応える存在で、タミヤのパーツの中でも非常に息の長い、ロングセラーの一つとなっている。製造元はマブチモーターで、同社の型式番号としてはRS-540SH-8023が割り振られている。

ブラシレスモーターが多数販売され、旧来のブラシモーターの扱いはどうなっているのか。調べている中で、たまたまヒットしたのがスポーツチューンモーターだったが、見慣れぬデザインになっていて、今になって手軽なブラシモーターを発売したのかと勘違いしたほど。

銀カン仕様のスポーツチューンモーター

画像はタミヤ公式Webサイトから引用。最大の変更点として、黒カンから銀カンに変わっていた。変更時期は2019年5月のようで、古き良き時代からの言い方を使えば『ブラックモーター』の末裔を意識させてくれる、黒い外装が失われてしまった。

スポーツチューンモーターとしての性能は変更されておらず、ある意味では使い捨て前提となっている価格も変わっていない。ただ、見た目が変わってしまったことが少し寂しいというか、随分と味気のない印象になってしまった。黒カンのスポーツチューンモーターは未使用のまま保管され続けており、この先も使うことなくRC用部品箱の肥やしになりそう。

ラス1

RCカーはタミヤ製のシャーシをベースにしている。全国各地の模型店に行けば必ずタミヤの製品があり、それだけ入手性が容易になっていることが要因の一つ。

その一方で、他社の製品を流用することも多い。公式大会に出るわけではないので、必要なパーツとなれば会社は問わない。例えばエンジンRCカーの場合、エアクリーナーはOS Engines、チャンバーはHPIに自作テールピース、ダンパーオイルはYOKOMOとけっこうバラバラ。

外装となるボディについても同様。タミヤからは出ていないボディは他社から出ていることもあり、好みのモノがあれば買う。ただし、掛川サーキットはタミヤのボディのみ走行可能となっているので、社外ボディはパーキングロット内に限るが。

ABCホビーからEK9シビックRの後期型ボディが発売されたのは、どうやら2006年あたり。さらに数年後、RCカーで遊ぶことを本格再開し、2010年のFF03シャーシ発売に合わせて、シビックRのボディを買う。が、2回買って2回とも作成失敗で終わっている。1回目は塗装の乾燥中に風に吹き飛ばされ、砂と傷まみれになって終了。2回目は塗装はうまくいったが、シャーシに合わせたボディ加工で失敗。それから実車いじりのほうがメインになって、RCカー遊びは休止。現在に至る。

先日、ミニ四駆のネタを書いたあと、他社製品の販売状況を調べているうちに、ABCホビーのシビックボディはどうなっているのか気になり、さっそく検索していく。

すると、どこのショップも「品切れ」「入荷未定」「入荷お知らせメール登録」「売り切れ」という、嫌な表示ばかり。シビックのボディは2006年の古い製品であり、経営元の会社規模からしても再生産は期待できない。3度目の正直となるボディ作成にチャレンジできないかもしれないと、在庫を探し続ける。

幸い、1個だけ在庫が見つかり、すぐに発注を掛ける。国内RCショップ通販での、最後の商品だった可能性がある。在庫の更新し忘れによる「やっぱ売り切れだったからキャンセルねー」という返答もなく、発送通知メールが着信して一安心。

ABCホビー EK9 シビックタイプR

こうして到着した、RCカー用のシビックRのボディ。モデルが後期型なので、乗っている前期型の単純なスケールダウンとはいかないが、シルバーに塗れば雰囲気は近くなる。

タミヤの製品と違って、親切丁寧な解説と簡単にシャーシにセットできるような配慮はされていない。買い直しが効かない以上、ミスは許されないので、後々の作成時は間違いなく超慎重な作業になるだろう。当面、このまま死蔵モードだが。

久しぶりのRCカー遊び

RCカテゴリの記事としても、前回の記事から4年になる直前だった。

「RCカーで遊ぶからおいで」と声を掛けられて、近所に住む上司の家まで出かけてくる。この手の趣味を休止して文字通り4年になろうというところだが、操作感覚その他はしっかり覚えていて、これはこれで驚くことになった。

一度RCカーの世界から離れると、操縦システムの進化から完全に遅れてしまい、浦島太郎効果を味わうことができる。2016年当時は、ブラシレスモーターが広がり始めたタイミングで、まだまだ高価な代物だった。プロポについても、モーターの温度や回転数、バッテリーの電圧がリアルタイムで把握できるテレメトリーシステムは、最上位機種に限られた機能だったと思うが。

2020年現在では、普及に伴う低コスト化が起きているのか、ブラシレスモーターはずいぶん入手しやすい価格帯に落ち着いている印象だった。同時にテレメトリーシステムについても実機を触らせてもらい、どのようなものかチェックを繰り返す。

ブラシレスモーター仕様のMシャーシ

モーターから3本の電源ケーブルが出ていて、アンプに繋がっている。モーターの駆動音も甲高い「キーン…」と鳴るので、「なんか700系の起動音とそっくり」というのが第一印象だった。ブラシレスモーターが登場した当時、極低速域の回転がガタガタになってしまう弱点があったが、不安定な挙動がなくてスムーズに走り回っていた。Mシャーシ特有の超クイックな動きが面白く、ジムカーナのようなコーナリングが楽しい。

RCドリフトも堪能

狭く限られた空間でも楽しめる、RCドリフトも併せて遊ぶ。こちらも操縦システムが全く知らないものになっていて、シャーシ上のジャイロセンサーで自動的にカウンターステアを当てるようになっていた。今までのRCドリフトは四輪駆動だったので、四輪が揃って空回りして車体を旋回させていた。それがジャイロセンサーを用いれば、後輪をスリップさせて前輪はカウンターを当てたままスライドし続けることができる。見た目からしても、後輪駆動のドリフトのほうが馴染みがある。

趣味として再開するにしても、操縦システムの揃え直しをはじめとして、いろいろと諸費用がバカにならないのが痛い。とはいえ、時間を忘れて楽しんでいたことから、熱さえ入れば一気にペースが戻るかもしれない。テストドライブ、ありがとうございました。